スポーツバイクをはじめとする自転車パーツや釣り用品など、アクティビティには欠かせないプロダクトを数多く手掛ける「SHIMANO(シマノ)」。近年はキャンプ用のクーラーボックスも人気でフィールドで見かけることも増えています。
今回は、そんなシマノにフォーカスした座談会企画。普段から偏りのないモノ選びを実践し外遊びを楽しむ3人に、これまで使って良かったシマノ製品を持ち寄ってあれこれ話してもらおうという目論見です。
いずれも釣り好きという共通点がありながら、世代や趣向など異なる価値観のなかで、いったいどんなアイテムが刺さったのか!? その辺を根掘り葉掘り聞いていきます。
Table Of Contents : 目次
座談会メンバーはこだわり派のこの3人。
初心者に絶対的にオススメしているウェーディングシューズ。
リューヤ「ボク的にシマノの見方が変わったのはコレ。いままで色々なメーカーのウェーディングシューズを履いて釣りをしてきたけど、この靴の使い勝手の良さとコストパフォーマンスは別格ですね」
佐々木「ボクもウェーディングの釣りをしますが、そんなに違いがありますか?」
リューヤ「一番のポイントは、フェルトソールにスリットが入っていること。屈曲性が良くて足の自由度も高いし、滑らない。あと、使い始めて2シーズンくらい経ってますが全然ソールが減らないんです」
A-suke「シーズン通して本気で渓流に通うと、1シーズンでソールがダメになったりしますよね」
リューヤ「ジブンでも履くけど、道具をあまり持ってないビギナーと一緒に釣りする時はまずこのシューズを貸すので、持っているシューズの中でも一番稼働率が高い割にホント全然ヘタらないですね。特に今シーズンは乾き切ったことないくらい使いまくったのに!」
佐々木「見た目もシンプルでカッコいいし、タフさや機能面もしっかりと釣り人の意見を取り入れてる感じがしますね」
リューヤ「サイズが0.5cm単位でラインナップされているのも、初心者には購入しやすいポイントになるはず」
シンプルで精密。長年使い続けている主役リール。
佐々木「ボクにとってシマノと言えばリール。ベイトリールの07年式メタニウムMgを長年愛用しています。高校生の頃に父親に買ってもらった初めてのハイエンドモデルで、今でも現役バリバリです!」
リューヤ「通称メタマグね! 懐かしい! 発売当時はボクもバス釣りに真剣だったから、持ってるロッド全部にメタマグを組み合わせてボートに乗ってたっけ」
佐々木「当時のバスプロたちもそんな感じで、その姿にメチャメチャ憧れてました(笑)」
A-suke「思い入れのあるリールだと思うけど、現役で使い続けているポイントは?」
佐々木「一番好きなのは手にしっかりと収まるフォルムです。現行のリールって、ボクにとってはちょっとボディが小さすぎるんですよ」
リューヤ「当時はこれが一番コンパクトサイズだったのに……」
A-suke「バイクや自転車は、古い方がメンテナンスしやすいとよく言われるけど、リールも同じ?」
リューヤ「ちょっと古くて人気だったアイテムはパーツも豊富なので、リールでもそれは言えますね」
佐々木「ハンドルとベアリング以外はノーマルのままで、メンテはジブンでやっています。もう14〜15年くらい使っていますが絶好調ですよ。ずっとこれを使い続けてきて、改めてシマノがいいなって思い、社会人になってから憧れだったステラを買いました!」
リューヤ「いやー、間違いないね。一度使ったら抜け出せなくなりそう(笑)」
スポーツバイクでの認知度はもちろん、スノーボードギアまであった。
A-suke「ボクも子供の頃から釣りはしていたけど、シマノといえば自転車の方がイメージが強いですね。中学生の頃からマウンテンバイク(MTB)をメインに乗っていて」
リューヤ「シマノは自転車の方が、世界的にも圧倒的な認知度がありますからね」
A-suke「変速機とかブレーキといった重要なパーツは、当時のエントリーグレードから現行モデルまで、シマノを選ぶようにしています。というか、昔はシマノ以外の選択肢がほぼなかったんですが」
佐々木「自転車のパーツにもグレードがあるんですね」
A-suke「当時でも4つか5つのグレードに分かれていたかなと。最近は、技術開発が進んでフロントのギアが1速になり、昔より操作が簡単になったのでビギナーでも扱いやすくなりました」
A-suke「ちょっとマニアックな話だけど、自転車のシューズとペダルを一体化するシステムから着想して、アメリカのブランドとスノーボードのバインディングを共同開発していたこともあるんですよ」
佐々木「それは全然知りませんでした。何年くらい前ですか?」
A-suke「ボクが大学生の頃だから20数年前かな。まず、フラットバインディングのクリッカーが発売されて、その後にアキュブレイドが追加で販売されました。確かその2モデルだけで撤退してしまったはず……」
リューヤ「その可愛いキャラのTシャツもシマノのアイテムなんですか?」
A-suke「これはそのバインディングが販売されていた時のものです。なんとなく捨てずに取っておいたのを思い出して、タンスの奥から引っ張り出してきました(笑)」
佐々木「あまりシマノっぽくないデザインでいいですね。フィッシング系のアイテムやアパレルは、個人的にはシンプルなデザインのイメージだったので」
リューヤ「この頃のイメージを今リバイバルしたら、ネオクラシックな感じで人気が出そうな気も!」
高い保冷力はそのままに、キャンプで馴染むクーラーボックス。
リューヤ「そうそう、シマノからキャンプ用のクーラーボックスが発売されたことも驚きでした」
A-suke「ボクは最初に海釣り用のスペーザというクーラーを購入して使ってました(写真左上)。上蓋が両側からワンステップで開閉できて取り外すこともできるし、真空パネル採用で保冷性も高いので、釣りだけではなくイベント出店の時にも使い始めたんです」
リューヤ「シマノ製はフタの締まりもピシッとする感じがいいですよね」
A-suke「保冷力があって食材も出し入れしやすいのでキャンプの撮影に持っていくようになって。ただ、どうしてもルックス的に釣り用品感丸出しなのだけが気になっていました(笑)」
佐々木「いま見るとこのブルーも悪くないですけどね。ステッカーチューンしたくなる」
A-suke「もっとフィールドで馴染むカラーやデザインがあればいいなと思っていたら、一昨年アイスボックス(写真右)が発売されたので、すぐに使い始めました」
リューヤ「アイスボックスは、基本的に釣り用がベースですけど、いいカラーが揃ってますよね」
A-suke「その後に新デザインを採用したヴァシランド(写真左)が出てきて。最初はちょっとゴツいかなと思っていたけど、食材をたっぷり詰め込めるので重宝しています。ハンドルバーの下に持ち手がついたり、水抜きが改良されて、フィールドでも使いやすくなりました」
佐々木「水抜き部分は段差の下が滑らかな傾斜になっているんですね」
A-suke「そう、だから水が抜けやすくて片付けの時間が短くなりました。1点だけ気になるところは、グレードごとにカラーが違うから、自分が欲しいスペックとカラーが一致するかわからないところかな」
リューヤ「じつはボクもヴァシランドをクルマに積んでいて、車体のカラーと合わせたら6面真空パネルのトップグレードのものでした(笑)。おかげで、サカナを求めて数日連泊しても氷が溶けないです!」
2025SS新作レインウエアを、一足お先に試着!
実際に使っている愛用品の話題は尽きることがありませんが、最後に、来シーズン発売予定のレインウエアを特別にお貸りできたので、釣り好きの皆さんに試してもらいます。
リューヤ「レインウエアにしては、生地感がちょっと他とは違う気がしますね」
―3レイヤーの防水透湿生地に新たに「海水撥水加工」が施されて、耐久性もかなりアップしているようです。
佐々木「海水って付着したまま乾いてくると、ベタついたり白くなったりしますけど、それが軽減されるならいいですね! よく海でウェーディングするので、かなり気になるポイント!」
A-suke「ボクは濡れたレインウエアの肌に張り付く感じが苦手なんですが、この裏地のカンジもサラッとしていて好みです。あと、ジャケットの2重前立て付きファスナーや、パンツの細かいディテールも水の侵入を防ぐための努力がすごい」
―実際に着てみてどうですか?
佐々木「フードも大きいのでキャップを被ったままでもかなりゆとりがあります。襟口も高くてしっかり雨をガードしてくれそう」
リューヤ「ジャケットはマチ付きの胸ポケットや袖にもポケットがあって収納豊富だし、カーゴタイプのパンツにもDカンやプライヤーポケットがあるから、ちょっとした釣りならバッグ要らずかも」
佐々木「ポケットとか生地の切り替えが多いと防水処理をする箇所が多くなるので、ここまで凝ったディテールはなかなか真似できないですね」
A-suke「ハンガーに吊るされている姿よりも、着てみると着丈や動きやすさなどバランスがすごくいいのがわかります」
リューヤ「似合うなー。これなら普段着でもいけちゃいますね」
A-suke「このカラーもレトロ系のマウンテンパーカーみたいで雰囲気いいですよね!」
来シーズンも期待大。取材を通じて感じたこと。
今回の座談会では、「シマノ」にフォーカスしてお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
釣り道具やクーラーボックスの使い勝手、自転車のパーツからスノーボードギアの存在まで、あらゆる角度からシマノについて語ってもらい、3人が口を揃えて話していたのは、製品クオリティの高さ。
もちろんモデルによってグレードの違いはありますが、一貫して「モノづくりへのこだわり」が垣間見られるというところがシマノの魅力なのでは?と今回の取材を通じて改めて感じました。
新作アイテムの完成度もかなり高いので、シマノファンならずとも一度手に取ってみるとその意味が分かってもらえると思います。発売まで期待して待ちましょう!
Photo/Fumuhiko Ikemoto
(問)シマノ fish.shimano.com/ja-JP