環境問題に対してアクティブなPatagonia(パタゴニア)による食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」が気になっているアウトドア好きは多いだろう。
グラフィカルでめちゃくちゃ格好いいジャケをショップなどで見かけると、つい手に取りたくなってしまうし、さらに創業者イヴォン・シュイナードの「新しいジャケットは5年か10年に一度しか買わない人も、一日三度の食事をする。我々が本気で地球を守りたいのなら、それを始めるのは食べ物だ」という端的な想いを知ると、アウトドアマインドもくすぐられる。
そんな「パタゴニア プロビジョンズ」に、この秋新たにパスタが登場したニュースは、以前の別の記事でも紹介した通りだが、アウトドアでの実際の使い勝手や味わいが気になるので、今回はもう少し深掘りしたい。
というわけで、アウトドア料理にも環境問題にも精通する外遊び好き夫婦に、このパスタを試してもらうことに。
山戸ユカさんは、玄米菜食や保存食を中心とした料理研究家としても長く活動し、女性向けアウトドア料理の監修などもおこなっていた。
夫の浩介さんは元々アウトドア輸入代理店に勤めていて、さかのぼると中高時代から渓流釣りや野宿を楽しんでいた生粋の外遊び好き。いまでも、ふたりそろってクライミングや山歩きに出かけることが多いとか。
また、住居兼レストランのほどちかくには散歩道や森があって、夕陽が綺麗な日や天気のいい日にふらっと散歩に出かけては、焚き火用の薪木を調達したり、山菜やキノコを収穫したりするのが日常。
近年は、レストランや食品加工で出た生ごみを100%コンポストで堆肥化。それを自家菜園の野菜やハーブ作りに活用しており、また、その活動を地域ぐるみで広めているという。
美味しいアウトドア料理の専門家であり、パタゴニアと同じく環境配慮にも活動的なふたりは、「パタゴニア プロビジョンズ」のパスタを一体どのように使うのか? レストラン前の庭で、パスタ料理を作ってもらった(*レシピ詳細は記事末に掲載します!)。
Table Of Contents : 目次
【アンチョビとココナッツのスパイスパスタ】
ひと品目のパスタ料理には、ネジれた形状が特徴のショートパスタ「フジッリ」を使用。形状はもとより、ブロンズダイス製法によりザラつきある表面に仕上げてあるため、ソースがしっかりと絡みそう! と、その特徴を活かすべく、浩介さんのアイデアで南インド風のアレンジに。
浩介さん「同じ『パタゴニア プロビジョンズ』から出ているアンチョビを使ってみました。南インドでは、魚にココナッツやマスタードシードを組み合わせることが多いんです。パスタにも応用できるんじゃないかと思って」
ところで、「パタゴニア プロビジョンズ」のパスタは、世界で初めて「リジェネラティブ・オーガニック(以下、RO)」に認証されたオーガニック食品という点で特別な存在。土壌へのダメージをマイナスからゼロへ戻す従来の「オーガニック」に対し、「RO」は、土壌をより健康にして環境を再生するという意味で、ゼロをプラスに転じるという画期的なもの。
ユカさん「オーガニックがカラダにいいのは当たり前ですが、このパスタは、生産者や土壌といった総合的なアプローチで環境に良いインパクトを与えられるのが素晴らしいです。全粒粉100%ですが、特有のモソモソした感じがなく、むしろ食感はモチモチ。風味もとてもよくて、でも穀物の香りが強すぎないから、ソースの邪魔をしません」
浩介さん「食感と風味が豊かな分、食べ応えもしっかりあるんですよね。アウトドア用の小さな鍋で作ってもお腹いっぱいになります」
スパイスパスタだけでなく、パスタを茹でる工程で出た茹で汁を使って、付け合わせの酸っぱいスープも作ってくれた! こちらもラッサムという南インド料理がベースで、家庭でも手に入れやすい梅干しなどでアレンジされたオリジナルレシピ。
次のページでは、ワンパンで煮込むペンネ アラビアータを紹介してもらう! 余った茹で汁の、意外な活用法も。