昭和を感じに“裏”福生へ。大人な2人のドライブデート。【ワンデイドライブ #10】

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昭和を感じに“裏”福生へ。大人な2人のドライブデート。【ワンデイドライブ #10】

電車なんかと違って、クルマで行く旅は風の吹くまま気の向くまま、どこにだって行ける。行き先は、思い立ったらパッと行けて、パッと帰ってこられるくらいの場所がいい。

10回目を数える今回は、キャンプ業界で「スナフキン&ミィ」の二つ名で知られる松本圭史さんと景子さん夫婦とドライブデート。向かった先はアメリカンなイメージのある東京・福生の“裏側”。そこにはアメリカとは打って変わって、ノスタルジックな日本がありました。

過去のワンデイドライブ記事はこちらから。

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大人顔のボルボは、遊びもいける。

松本圭史さん&景子さん
平日は会社員として、休日はブランド「para-sol market」の代表(景子さん)とディレクター(圭史さん)として活動する2人。ハードキャンパーでもあり山で過ごす時間も多い。景子さんは月1で、スナック「ケイトとトシコ」のママとしても活躍中。
Instagram:@parasol_market@tokyo_soda_labo

2人が乗るクルマはボルボ「XC90」。2020年式。

ボルボは高級車であるけれど、ほかの輸入車に比べておしとやか。肩で風を切る感じもなければ、エクステリアもギラついていない。すいもあまいも知っているような、大人の雰囲気をまとっている。それが松本さん夫妻ともシンクロする。

普段から、運転役は圭史さんで、景子さんは助手席が定位置。

圭史さんは小さな頃からラグビー一筋で、かつては強豪社会人チームに所属し、ライバルたちとしのぎを削っていた。マイカー1台目を購入したのは、そんなとき。

「社会人になって、すぐに購入したのがクライスラー『チェロキー』でした。22歳の頃ですね。もちろん高価な買い物だったけど、先輩から『社会人たるもの、ローンは組むもんだ』って言われてね(笑)」

そこからは「グランドチェロキー」を2台乗り継ぎ、メルセデス・ベンツ「560SEL」を挟み、ボルボ「V70」を2台経て、現在にいたっている。

この1台に決めたのは、見た目や堅牢性、積載量の多さなどいろいろあるのだけど、なによりも寝られること。

「身長が183センチなんですけど、フルフラットにすれば足を伸ばして余裕で寝られるんです。最近はキャンプに行ってもテント張るのが面倒だから車中泊することも多くなってきて。それと、景子の実家が鳥取で、帰省するときはだいたい自走なんです。古いクルマもいいけど、やっぱり快適さが全然違うでしょ?」

半自動運転も付いているから、ロングドライブもまったく苦にならない。しかもディーゼル車だから燃費も最高。

ドライブルート。道が空いている時間であれば1時間でたどりつける。

そんなクルマで目指す先は、東京から約1時間の場所にある福生。米軍基地があり、そのまわりにはアメリカンな店が軒を連ねるイメージがあるけど、もう一歩踏み込めば、また違う町の表情が見えてくる。

ゲームセンタータンポポで昭和の遊戯を。

「福生は1、2回くらいしか来たことがないので、表の顔も見たかったな〜」と、横田基地のフェンスを横目に口を揃える2人。そりゃそうだ、いきなり裏側ですみません。

改めて、今日は福生とその周辺にある昭和を探すドライブデート。まず訪れたのは「ゲームセンタータンポポ」だ。

ゲームセンタータンポポ
住所:東京都福生市本町135
電話:042-513-3137
HP:tanpopo777.com

ここは、古き良き昭和のパチンコ屋を再現したゲームセンター。当時のパチンコやスロット台が並んでいるだけではなく、置いている雑誌も当時のものだし、店員さんの衣装や所作も昭和だ。常にマイクをぶら下げていて、生の「ジャンジャンバリバリ」を聞くことができる。

1000円で1時間、2000円で2時間、3000円であれば無制限という料金システム。入り口の券売機で、1000円のチケットを購入し、玉を持って打ち始め。

席に座って間もなく「えっ、当たったかも?」

景子さんはフィーバーし、瞬く間に受け皿がいっぱいに。続けて圭士さんもジャンジャンバリバリ。

「大学生の頃に熱中していた台がたくさんありますね。本当に懐かしいですよ。派手な演出はないんだけど、この素朴な感じがたまらないんです」と圭史さんも感慨深げ。

パチンコ人口が最も多かったとされる1980年代後半。当時、どっぷりはまっていた人はもちろん、なにも知らないZ世代にとっては、昭和を全身に浴びられる貴重なスポット。

全国からここを目指してお客さんがやってくるそうで、満席になることも少なくないのだとか。

銀座の料亭で腕をふるった料理人の、大衆食堂。

1時間ほど遊んだあと、ランチで向かったのは福生駅からほど近い「引田屋食堂」。建物こそ、そこまで古さを感じないまでも、大正14年から続く老舗食堂だ。

引田屋食堂
住所:東京都福生市本町107
電話:042-551-0218

現在の店主である3代目は、銀座の一流料亭で修行をしていた経験があり、腕が立つ。そんな料理人の味を、大衆食堂で満喫できる。お昼時ともなればローカルたちが大挙してやってくる。

揚げ物、焼き物、煮物、丼もの、麺類とメニューは豊富。追加料金を支払えば小鉢をつけることも可能だ。

2人が頼んだメニューは、ミックスフライ定食とサバの塩焼き定食。小鉢にカレーをつけて。

「うまいです。サバの塩のあたり方もちょうどいい。カレーも家庭感があってかなり好き」(圭史さん)

「フライはサクサクですね。私、エビフライが大好きでいろいろ食べ歩いていますけど、歴代でもかなり上位です。なにより、お米がおいしい。こんなに食べられないと思っていたけど、食べられちゃいました」(景子さん)

福生であればハンバーガーだったりピザに目が行きがちだけど、そんな町にこそ和食の名店がある。京都に、イタリアンの名店がたくさんあるように。

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Keisuke_Kimura
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