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遅めのディナーは、旅した気分になれるディープな中華で。
2人はよく町中華を訪れる。中川さんにいたっては、藤沢にある有名な中華料理屋で働いていた経験もあり、中華には一家言あり。そうしてやってきたのは川崎駅前。
この町は夜こそにぎわう。お酒で頬をあからめた人たちが道に溢れ、ネオンもギラギラに輝いている。そんな町の中華の穴場が、知る人ぞ知る「海月」だ。
メインストリート沿いにありながら、怪しい雰囲気に包まれる。しかも700円もあれば腹をいっぱいに満たしてくれるという、コスパも最強のお店だ。
この日の店内は、自分たちを除けば100%中国人。スタッフと客のやりとりも中国語でされている。「川崎のど真ん中なのに、異世界に迷い込んだような錯覚に陥りますね」と中川さん。大袈裟ではなく、ホントにそんな感じ。
頼んだメニューは、後藤さんがエビと玉子の醤油飯+唐揚げ(680円)に、中川さんが五目チャーハン(580円)。中国人のシェフが手際よく調理し、ほどなくして料理が到着。空きっ腹にメシをかきこむ。
「おいしいですけど、普通の町中華っぽくはないですね」。その言葉通り、香辛料などが効いていて味が本格的。お客の大半が中国人であることも納得できる。
仕事終わりの異世界体験。雰囲気も味もコスパも◎!
最後に向かったのは、川崎の夜の観光名所。
妖艶な絶景のなかに迷い込む。
川崎は工場の街でもある。浮島町にある工場地帯は、夜になると一層輝きを放つ夜景スポットとして知られ、夜のドライブにはうってつけだ。「神奈川生まれ育ちですけど、実は行ったことがない」という後藤さんの運転で、川崎市内からクルマを走らせる。
30分ほど運転したところで、美しいディストピアのような世界に到着した。日中は目立たないものの、夜には煙突からあがる煙がオレンジ色に染められ、工場内は煌々と光っている。
道を曲がる度に新しい景色が現れ、ドライブしているだけで楽しい場所。この絶景は、夜しか見ることができない。
22時。約5時間のナイトドライブはこれにて終了。おふたり、今日はいかがしたか?
「よくドライブはしますけど、夜のほうが圧倒的にクルマが少なくて運転も楽しかったです。高速道路なんかは特に。そして日中に観光したくらい満足度が高かったです。夜でもこんなに楽しめるんだっていうのは新しい発見でしたね」(後藤)
「かなり楽しめましたし、ごっちゃん(後藤さん)と同じく、見方を変えれば夜でも楽しいスポットはこんなにあるんですね。一番印象深かったのは『海月』の雰囲気。また行っちゃうかもしれないです!」(中川)
ドライブを楽しめるのは、なにも日中だけじゃない。夜にしか出会えない景色は全国いたるところにある。
そしてやっぱり、若者は夜が似合うのだ。
Photo/Takuma Utoo