青春時代に通った上野を、久しぶりに深掘り!(前編)
GO OUT本誌でもお馴染み、バンブーシュートの甲斐さんが、毎回、様々なファッション業界人のゲストと共に、東京の名店を巡るショップツアー連載「甲斐さんぽ」。
第10回目のゲストは、GO OOT本誌で、名品ギアを深掘りする連載企画『Lookin’Back On Trail』を担うアクタガワさん。
同世代(1歳差違いで同じ誕生日)であり、10代から親交がある2人は、出会った頃に足繁く通っていた青春の街、上野を散策することに。
ということで、2人が集合したのは、上野を象徴する商店街ストリート、アメヤ横丁。ご存知、”アメ横”の名で親しまれているが、その歴史は大戦直後の40年代にまで遡ることができる。
アクタガワ「上野、結構久しぶりかも。昔は定期的に古着屋巡りとかしていたけど」。
甲斐「懐かしいよね。一緒に来たことはないけど、同じ店をチェックしていたと思う」。
アクタガワ「昔から行動範囲が似ているからね。それで自然と仲良くなったのもあるし」。
甲斐「でも当時行っていた店は、ほとんど残ってないけどね。センタービルは変わらないけど。高校時代、制服で遊びに来ていたときのまま(笑)」。
アクタガワ「高架下の雰囲気も、あまり変わってないかも」。
甲斐「そのあたりの老舗も巡りたかったけど、今日の目的は、ワークアイテムとスニーカーてことで、それぞれの専門店に行こうかと」。
アクタガワ「上野らしいテーマだね(笑)」。
Table Of Contents : 目次
【SHOP1】Jalana(ジャラーナ 御徒町店)
上野散策で、まず2人が訪れたのは、70年代に創業し90年代から上野に店舗を構える老舗のアメカジ屋、ジャラーナ。
こちらは数年前にリニューアルしてカフェを併設している御徒町店。徒歩2分の距離にアメ横店もあり、そちらは2人とも何度か訪れているとか。
しかしこちらの店舗は初来店。圧倒的な物量に驚きながらも、早速各コーナーごとにアイテムを物色する2人。
甲斐「ジャラーナはよくオンラインで買い物しているけど、実店舗がこんな感じになっているとは思わなかった。カフェとかいい感じ!」。
アクタガワ「ちゃんと今っぽいよね。でも並んでいるアイテムは、昔から変わらない定番モノもしっかり扱っている感じがする」。
カフェにも興味津々ながら、店内の奥地に進み、2階へ。真夏でもキルティングベストやスタジャンなどのアウターもディスプレイされている。
ROUND HOUSE オーバーオール ¥12870(ブラック)、¥11880(ナチュラル)
そしてアクタガワさんが、気になるアイテムを発見。こちらは100年以上の歴史を誇るアメリカの老舗ワークブランド、ラウンドハウスの定番品。
アクタガワ「いまだにアメリカ製ってのがいい。オーバーオールって、たまに着たくなるんだよね。DIYの作業とかキャンプでタフに使えるから重宝するし」。
PRISON BLUES ワークエプロン ¥5280
甲斐さんはデニムのエプロンに注目。アメリカの受刑者のハンドメイドによる製品で、米国製ながらリーズナブルな価格が魅力。
甲斐「リベットとかステッチの使い方がいいなって思ったけど、オレンジのステッチはジャラーナ別注らしいよ。ここでしか買えないアイテムみたい」。
世代的にアメカジはルーツなだけに、速攻で欲しいアイテムを掘り出した2人。それにより時間に余裕ができたので、併設されたカフェで、ちょっと休憩することに。
甲斐「せっかくカフェもあるんだから、なんか注文しようよ」。
と、いきなり生ビールを頼む甲斐さん。
アクタガワ「まだ1店目じゃん! 俺はアイスコーヒーで(笑)」。
しかし、アメ横は昼からオープンしている飲み屋も多いため、まったく違和感なし。むしろ、すっかり馴染んでいる。
1店目から上野らしさを満喫しつつ、次の目的地のミタスニーカーズへ。その道中にあるジャラーナのアメ横店も、さりげなくチェック。
【SHOP2】mita sneakers(ミタスニーカーズ)
アメ横のランドマーク、センタービルの一角にあるミタスニーカーズは、シューズ好きの聖地として知られる名店。90年代から別注モデルを企画し続け、海外からも注目を集めている。
どちらもスニーカーは昔から大好物。そのためミタスニーカーズらしいエッジの効いたセレクトを、真剣にチェックしていく。
そしてスタッフの国井さんは、2人に共通する昔からの友人。特にアクタガワさんは、業界でも有名なスニーカーコレクターなので、マニアックな話で盛り上がっていた。
そんなシューマスターの国井さんが今夏にイチオシするモデルがこちら。
オンは既存のコレクションの中で最大のクッショニングを誇る、次世代のハイパフォーマンスシューズ。ニューバランスは、USメイドの最高峰モデル、MR2002のOGカラーを忠実に再現した復刻モデル。ナイキは定番のエアマックスながら、レインボーカラーが印象的なフライニットレーサーをチョイス。
adidas エキップメント 93 サンダル ¥14300
その中から、甲斐さんはアディダスの最新モデルに注目。90年代初頭に話題となったエキップメントシリーズをベースにしたサンダルは、世代的にも気になるとか。
甲斐「オリジナルのモデルも好きだったけど、サンダル仕様もおもしろいよね。懐かしい感じだけど新鮮。これは欲しいかも。夏にこそ履きたい」。
PUMA ブレイズ オブ グローリー ザ ネバーウォーン “THE NEVERWORN COLLECTION” ¥17600
一方、アクタガワさんは独自の目線で、プーマのブレイズ オブ グローリーを手に。しかもデッドストックを意識したヴィンテージ加工が施された一足。
アクタガワ「このソールをエイジングするスタイル、昔流行ったんだよ。ヴィンテージっぽく見せるやつ。なんか最近また人気になってるみたいだけど…… 」。
国井「そうなんですよ。最近またトレンドになっているけど、今はこういうソールに塗る着色マーカーも出ています。ヴィンテージスニーカーのアーカイブを参考にしたカラーが揃っています」。
adidas フォーラム84ロー ミタ “ASK” “mita sneakers” (価格未定)
さらに、オーストリッチレザーをまとった、アディダムのフォーラムにも注目。こちらはミタスニーカーズのみで展開するという、超エクスクルーシブなモデル。
アクタガワ「これはすごいね。本物のオーストリッチでしょ? しかも世界で手に入るのはここだけっていう。こういう1足があるから上野はおもしろい」。
ワークアイテムとスニーカーを堪能した2人が「せっかくだから、ちょっと立ち寄りたい」と向かったのは、お互いに「若い頃から通っていて、今も残っている唯一のショップかも」と口を揃える輸入雑貨屋、ガラクタ貿易。
甲斐「ケッズのロイヤルプラスのデッドストックが並んでいて、しこたま買いに行ったのを覚えているよ」。
アクタガワ「そうそう、ラストコロンビアね! でもそれ25年くらい前の話でしょ(笑)」。
【SHOP1】ガラクタ貿易(ガラクタボウエキ)
まるでアメリカのガレージハウスのような佇まいで、様々なアイテムが所狭しとディスプレイされる、老舗のライフスタイルショップ、ガラクタ貿易。
アメリカから直輸入された雑貨やウエア、ユニークな小物類が溢れかえり、宝探し感覚で店内を物色できるのが魅力。
アクタガワ「おー、この雑多な感じ、昔から変わってない!(笑)」。
甲斐「商品構成はアップデートされているけど、ちゃんとガラクラ貿易っぽいセレクトっていうか。やっぱり、こういうショップは楽しいよね」。
ドン・キホーテよりもアイテムが密集する店内で、パックマンのアーケードゲーム機を発見! どうやらこれも売り物(¥93500)らしいが、実際に遊べるため早速アクタガワさんが挑戦。しかも1プレイ¥100と書いてあるけど、現在はフリーで遊べるとか。
アクタガワ「懐かしい!(笑) これ本当に売ってんの? ちょっと欲しいかも……」。
プラスチック タグ 各¥880
そんななか、甲斐さんは壁に大量に並ぶプラスチックのタグが気になる様子。こちらはアメリカの牧場で実際に使われている、牛の個体を判別するタグだとか。
甲斐「こういう謎のアイテムが、さりげなく並んでいるのがいいよね。タグもおもしろいけど、こっちの巨大なライターはLEDライトなんだよ」。
そしてアクタガワさんは、アメリカ製のポップな配色の霧吹きを購入することに。店内で発見した瞬間に手に取り、即買いするほど気に入った様子。
Anaheim ジェネラルパーパススプレイヤー ¥1210
こちらはポンプで空気を圧縮した水を、霧状にして散布できる優れモノ。本来はガーデニング用ながら、アイデア次第でいろんな使い方ができそう。
アクタワガワ「これ欲しかったんだよ。前にちょっと使ったことあるけど、めちゃくちゃ繊細なミストが出るから、冷水を入れて浴びると気持ちよくてさ」。
ということで、昔話に花を咲かせながら久しぶりに上野を散策した2人だけど、どうやらまだまだ物足りない様子。
「やっぱり上野は最高! あまり変わっていなかも?」
そこで上野らしく、そのままアメ横の一角にある立ち飲み屋で、軽く打ち上げをすることに。
甲斐「アクちゃん、おつかれさま!」
アクタガワ「おつかれー。しかし暑い。さっき買った霧吹きを使いたいよ(笑)」。
甲斐「久しぶりに上野をゆっくり歩いてみたけど、なんかあまり変わってないかも」。
アクタガワ「昔ながらのアメカジ感も残っていたし、懐かしいブランドとかいっぱいあったよね。アイク・ベーハーのシャツとか久しぶりに見た気がする」。
甲斐「しかも価格も当時のままだったり。そういう意味では、今でも掘り出しモノが多い街かも。これは1回で終わらせるのはもったいないよね(笑)」。
ということで、甲斐さんぽ上野編は、後半に続く……?
Photo/Taizo Shukuri