新進アジアブランド、続々登場。東京アウトドアショーで見つけた、8つの”技あり“アイテム。

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数年前に日本から始まった昨今のキャンプブーム。現在は韓国、中国、台湾にその人気は飛び火し、現地では盛り上がりのピークに達しています。

同時に各国では、新進ブランドが続々登場。高い技術力や独自のアイデアを持った作り手も増えてきています。今回は、そんなアジアのブランドにフォーカスして取材。

取材を敢行したのは、6月27(金)〜29(日)に幕張メッセで開催された「東京アウトドアショー2025」。会場にはアウトドア熱が高い多くの来場者たちがひしめいていました。今回は、そのなかの一画にある、アジアの新進ブランドが集まる「アジアンブランドエリア」にフォーカス。

アジアンブランドエリアには、本誌の韓国版「GO OUT KOREA」も出展。日本版の内容の翻訳にくわえ、現地独自の特集やアイテムも掲載されています。

ここからは、GO OUT KOREAがキュレーションした韓国の6ブランドに加え、台湾メーカーを含めた全8ブランドと、中でも気になったアイテムを紹介していきます。

Table Of Contents : 目次

コラボも注目。家庭用に引けを取らない寝心地のエアマット。【WOODFUEL(ウッドフューエル)】

韓国発のアウトドアブランド、ウッドフューエルは、快適性にこだわられたエアマットがメインアイテム。ブースには、さまざまなデザインのエアマットや、チェア用のクッションが展示されていました。本国ではすでに人気で売り切れが続出しているんだとか。

ブース内をよく見ると、日本のアウトドアフリークスたちにお馴染みのブランドとのコラボアイテムが多数見られます。

BOMBE(ボンベ)シリーズ

FUEL BOMBE MAT 2P NATAL DESIGN ver.  / ¥59000

同ブランドの看板アイテムである、エアマットはバツグンの寝心地が特徴。主に、軽量さを重視したタイプと、快適性を重視した厚めのクッション材とエアを組み合わせたタイプがラインナップされています。

こちらは、日本の人気ブランド、NATAL DESIGN(ネイタルデザイン)とコラボした軽量モデル。同ブランドのアイコニックなトリコロールストライプとロゴがあしらわれており、上面のファブリックには、軽量かつ強靭、防水性に優れたダイニーマ®︎コンポジットファブリックを使用。

足元部分にポンプが内蔵されており、足で踏むことで空気が入る優れものです。

BOMBE シリーズ / 国内販売価格未定

実際に筆者も試しに寝させてもらいましたが、下手な家のマットより快適な寝心地でした。コラボしたブランドのオーナーたちも韓国で開催されたイベントで寝床として提供され、惚れ込んだのがきっかけなんだとか。

同ブランドは、日本法人も設立され、近日中に国内からも製品の購入ができるECサイトが立ち上がる予定とのこと。キャンプや車中泊はもちろん、家での睡眠環境のアップデートを図っている方は要チェックです!

(問)WOOD FUEL www.instagram.com/wood__fuel/

本格木工系ブランドが作る、こだわりのドッグアイテム。【TESUP(テサップ)】

シンプルなデザインで、木目の美しさが目を引く、ウッド製のファニチャーを展示していたのは、韓国発のブランド、TESUP。木の質や加工の精度はもちろん、フィールドでの使い勝手にもこだわられたプロダクト作りが特徴です。

天然木のドッグコット

ドッグコット / 価格未定

ドッグショーも同時開催されていた会場で、犬連れの来場者の注目を集めていたのは、こちらのドッグコット。小形〜中型の犬種に対応したサイズ感のベッドを備え、しっかりとした作りで安定感があります。

使用されている木材は「スチームドアッシュ」と呼ばれる、トネリコ材に熱加工処理を施し、色味を良くすると同時に、対腐食性をアップさせたもの。

脚のフレームは、傘のように折り畳める凝った作りで、持ち手付きのシートでラップすることで、収納と持ち運びがしやすいようになっています。

フィールドだけでなく、家でも使いたくなる高級感が魅力です。上記のウッドフューエルとのコラボも予定されているとのことなのでこちらも注目。

本アイテムは、来月発売に向けて、現在試作中。日本のショップでの販売は未定ですが、ECサイトは海外発送に対応しているとのこと。最新情報は、同ブランドのインスタグラムをチェックしましょう。

(問)TESUP www.instagram.com/tesup_official/

豊富なオプションでマルチに使える、新感覚の焚き火台。【WOOD & BURN(ウッドアンドバーン)】

精密な金属加工を得意とする、韓国発の職人ブランド。ハイクオリティでデザインと機能性に優れた、薪ストーブやペレットストーブがユーザーたちから定評があり、日本でも感度の高いキャンパーに愛用されています。

同ブランドのブースでは、目玉となる新型の焚き火台が展示されていました。

Landmark M(ランドマークM)

Landmark M / 266000ウォン(約¥28100)〜

この焚き火台は、4段階で高さ調節可能な4本の脚を取り付けできる作りで、ハイスタイルで焚き火ができる新感覚のアイテム。芝へのダメージが防げるうえ、フィールドで立食を楽しめます。

それだけでなく、本アイテムはモジュール式になっており、豊富なオプションを組み合わせることで、ピザ焼きや、本格BBQも楽しめるというもの。サイドテーブルを取り付けることで、拡張も可能となっています。

なかでも、一際目を引いた使い方が、火床に園芸用の砂を敷いての炉端焼き。食材が勝手に回転しにくく、安定して設置できる専用串も凝った設計です。油や汚れを砂が吸ってくれるので、掃除がラクなのも炉端焼きの魅力。

従来の焚き火料理やBBQにマンネリを感じている方や、一台でさまざまな使い方をしたい方は、要チェックの逸品です。本アイテムは、現在受注生産中で、海外への発送にも対応。

WOOD AND BURN www.instagram.com/woodandburn

指先ひとつで設営できる、箱型エアフレームシェルター。【PLANFORTY(プランフォーティ)】

チェアやコットをはじめとした折りたたみ式のキャンプファニチャーを展開する韓国のアウトドアブランド、プランフォーティ

ブースには、コット上に乗せるタイプのソロテントや同ブランドのファニチャーが展示され、来場者たちが、使い心地を試していました。

DICE SHELTER(仮) (ダイスシェルター)

DICE SHELTER(仮) / 価格未定

ブース内で一際存在感を放っていたのが、こちらのテント。その名の通り、サイコロから着想を得た四角い形状が特徴で、サイコロの面を展開するように、前後のパネルをサブポールで跳ね上げられる作りになっており、夏場はタープのように使うこともできます。

フロアがスクエア形状なので、デッドスペースが少なく、ファニチャーを配置しやすい点も魅力。最も高い部分で2mあるので、ハイコットとの相性も良く、テント内で立って着替えられます。

そして最大の特徴は、エアフレームテントだという点。ポンプでフレームに空気を送り込むだけで設営できるエアフレームテントは子どもでも設営ができ、金属ポールと違って風による破断も起きないため、年々人気を拡大しています。

それだけでなく、電動式のポンプを内蔵しているのが驚きのポイント。着脱可能が手のひらサイズのバッテリーをセットし、ボタンを押すと空気が入りはじめ、約10分でテントが設営できます。

展示されていた本アイテムは試作品で、9〜10月に本国で発売できるよう開発中とのこと。気になる方は同ブランドの公式インスタグラムをチェックしましょう。

(問)PLANFORTY www.instagram.com/plan40_outdoor/

複数の銘木を組み合わせた、ハンドメイドウッドギア。【leave_wood(リーヴウッド)】

2021年にスタートした韓国発のアウトドアブランド、リーヴウッド。「It’s time to leave.(出発の時間だ)」をコンセプトに、キャンプで使いたくなる、天然木の小物やファニチャーを品数豊富に展開しています。

ブースには、ユニークで機能的なハンドメイドアイテムが並べられていました。

leave wood ミニ三脚 & GOALZEROホルダー

leave_wood ミニ三脚 / 63000ウォン(約¥6660)

そのなかで筆者が気になったのは、こちらのミニ三脚。LEDランタンのカスタム人気の背景には、カメラ用の三脚に取り付けられるアタッチメントや、三脚対応LEDランタンの登場があります。

しかし、多くの三脚はカメラ用のものなので、金属や樹脂でできたものが多く、サイトスタイルによっては合わせにくかったりします。その点こちらのミニ三脚は、天然木でできているうえデザインもシンプルなので、ナチュラルテイストなアイテムを好む方にもぴったり。

折りたたむとフラットになるのもこのアイテムの特徴。デザインはもちろん機能美もあります。

同ブランドのアイテムはいずれも複数の銘木のコンビネーションによって作られているうえ、当然ながら木目や色味も違うので、それぞれが一点モノ。

同ブランドのアイテムは、日本では未発売ですが海外への発送は行なっているとのこと。

(問)leave_wood smartstore.naver.com/leavewood

人気LEDランタンをスマートに充電できる、技ありクレードル。

Namsanworks(ナムサンワークス)

ハイテク技術に強い韓国ブランド、ナムサンワークス。2021年に発足以降、得意とする電子機器技術を用いた、アウトドア向けのギアやガジェットを展開しています。

看板アイテムは、石油ストーブの暖房効率を高めるファン。ソウル大学のターボ機器ラボ出身のガスタービンエンジン技術者が航空機エンジンの技術を用いて開発するなど、理系のモノづくりが特徴です。

MPC-03

MPC-03 / 価格未定

なかでも、来場者から注目を集めていたのは、ゴールゼロの「マイクロ」シリーズや、38exploreの「38灯(ミヤビ)」といった人気の小型LEDランタンに対応した充電クレードル。

それぞれのLEDランタンに対応した、アタッチメントをランタン側に取り付けることで、USBケーブルの抜き差し不要で3台同時に充電できるようになるというものです。

マグネットが内蔵された、チャージャーの上にカチャッと乗せるだけで充電できるのは便利!

USB端子がキャップによって保護されるメリットもあるうえ、充電中のLEDランタンを足で引っ掛けて端子を破損するなどの事故も防げます。

本アイテムは現在試作途中で、発売に向けて鋭意開発中とのこと。ゴールゼロや38灯を複数持っている方は要注目のアイテムです。最新の情報はブランドの公式インスタグラムをチェック!

(問)Namsanworks www.instagram.com/namsanworks

機能性ファブリックを使用した、ULアイテムに注目。【HARDMADE(ハードメイド)】

こちらは中国発のアウトドアブランド、HARDMADE。X-Pac®︎をはじめとする、機能性ファブリックを使用したウルトラライトアイテムが、日本国内でも耳の早いアウトドアマンの間で人気をじわじわ拡大している注目のブランドです。

ブースには、素材使いはもちろん、デザイン性と実用性にも優れたバックパックやポーチ類をはじめとしたファブリック系のアイテムが所狭しと展示されていました。

DCF CUP PACK

DCF CUP PACK / 55$(約¥7900)

ダイニーマ®︎コンポジットファブリックを使ったアイテムも同ブランドの特徴。思わず手に取りたくなったがこちらのカップヌードルケース。日清のカップヌードルにぴったりの大きさに設計されている同アイテムは山に麺を持ち込む方ならきっと欲しくなるアイテムです。

ケースは巾着のように絞れる仕様。カップ麺を食べ終わったら、ビニール袋に入れたゴミをしまって、バックパックに吊るしておくのにも便利そうです。

このアイテムのほかにも、キャンディの袋型のミニポーチや、ダイニーマ製のてるてる坊主型LEDランタンシェードなど、ユーモアの効いたアイテムを展開していました。

同ブランドのアイテムは、一部の取扱店や、出展イベントで購入可能です。

(問)HARDMADE www.instagram.com/hardmade_official/

台湾の金物屋が手掛ける、実用性抜群の多機能ハサミ。【ROOCAMP(ルーキャンプ)】

こちらは、現地の金物メーカーが立ち上げた、台湾発のアウトドアブランド、ROO CAMP。刃物加工技術を活かし、実用性に優れたアイテムを続々展開予定。

会場では、第1弾アイテムとして、さまざまな機能を備えたハサミ型のツールが先行販売されていました。

Multi-fuctional Scissor

Multi-fuctional Scissor / 価格未定

切れ味の良いハサミをベースに、キャンプシーンであると便利な栓抜きや、ニンニクをつぶしたりナッツや甲殻類の殻などを割る機能、鱗とりがこの1本に。シースには、エッジシャープナーを備えていて、切れ味が落ちた時もその場で復活できる点も便利です。

さらに、このハサミは分離式になっており、2本のナイフとしても使えます。ブースでは実際に食材のカット体験ができましたが、ナイフの状態でも切れ味良好でした。もちろん、分離できるので洗いやすく衛生的です。

日本での正式販売はまだ検討段階で、このイベントでの売れ行き次第とのこと。ぜひ販売に至ってほしいですね! 最新情報は同ブランドのインスタグラムでチェック。

(問)ROOCAMP www.instagram.com/roocamp.outdoor/

進化を続けるアジア勢のキャンプギアから目が離せない。

このキャンプブームはすでにアジア全体のものであることを再確認できた今回の取材。今では台湾、中国、韓国から南下し、タイやインドネシア、マレーシアをはじめとする東南アジアまで広がっています。

今後もさらに新たなブランドやプロダクトが登場する土壌ができているので、ギア好きな方は、海外にもアンテナを張っておくと思わぬアイテムに出会えるかもしれませんね。

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akimoto yuuki
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