2024年12月13日〜15日に開催された「GO OUT CAMP冬2024」。会場となった、ふもとっぱらのフィールドは、冬らしい寒さのなか、時折強風が吹いていました。そんななか、工夫を凝らし快適に過ごしていた、キャンパーさんたちにサイト取材を敢行。スタイルと快適性を両立させている、キャンプ慣れしたみなさんのアイテム選びと使い方とは……?
今回紹介するのは、見たことのない形状のコットンテントの中で仲間たちと暖をとっていた、epitaphさんのサイトです。取材班が一目見て感じたのは、こだわりをもってキャンプを繰り返した方特有の玄人感。そんな熟練されたスタイルの秘訣を知るべく、愛用アイテムや長く使用されている理由について聞いてみました。
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さまざまなギアを経てたどり着いた、”ちょうど良さ“。
epitaphさんのサイトの魅力は、ほどほど感。空間の広さ、ギアの量と質、どれをとっても、ちょうどよさを感じさせます。エイジングされた道具たちの醸し出す味と調和が心地よいです。
「キャンプをはじめてから、さまざまな道具を手にしてきましたが、今はこのスタイルに落ち着いています。テントはシーンに合わせて使い分けていますが、テーブルやチェアなどのファニチャーや小物は長く愛用しているものが自然と残っていきました。経年変化が楽しめる、ウッドとレザー、金属の道具が好きですね。」
幻のテントメーカーの、家型テント。
こちらは、韓国発のテントメーカー、WANB(ウィー・アー・ノット・ブランド)の「A-2テント」。ベイカー型テントを2つ繋げたような形状がユニークです。惜しむらくもメーカーは廃業してしまいましたが、そのハイクオリティさと独自性から、愛用者たちからの評価も高いんだそう。
「薪ストーブが最初からインストールできるようになっていたり、天井をオープンすると中庭のような空間を作れたりと、使っていて楽しいテントです。家のようなシルエットと四角い透明窓が気に入っています。フロアがスクエア形状なので、道具を配置したとき、デッドスペースが生まれにくい点も使い勝手が良いです。何より、人とカブらない。」
機能美あふれる、コンパクトな薪ストーブ。
こちらの薪ストーブは、韓国発のアウトドアメーカー、ウッドアンドバーンの「マイストーブ」。販路が限られているので、まだまだ知らない方も多いブランドですが、高い金属加工技術とデザイン力を持っていて、薪ストーブやペレットストーブがコアなキャンパーさんの間で人気です。
「テントもそうですが、海外の知られざるブランドやクリエイターのアイテムを輸入販売しているWEBショップARBI productsさんにて購入しました。このストーブは、ブラウン管テレビのようなレトロな見た目が自分の好み。本体を収納するボックスが台になるうえ、薪のラックも兼ねている機能美にもやられました。冬場は、これに薪を焚べながら、炎の揺らぎを眺めて心を無にしています。」
ツウ好みのヴィンテージ箱ストーブ。
こちらは、スウェーデン初のアウトドア火器メーカー、オプティマスの加圧式ガソリンバーナー「22B」。往年のアウトドアマンからは「箱スト」の愛称で知られており、金属製の箱型ケースが一体型になったなクッキングバーナーです。こちらは「No.22」とも呼ばれる、1950年代に作られたヴィンテージ品。
「箱ストはシングルバーナーが多いんですが、この『22B』は珍しい2バーナータイプなんです。メンテを繰り返しながら、使っています。この真鍮のタンクが味わい深いですね。先ほどの薪ストーブもそうですが、収納されて箱になるギミックを備えた道具が好きなのかもしれません。」
トラッシュボックスまでこだわりが。
キャンプサイト作りにこだわっている方が意外に悩んでいるのが、理想のゴミ箱探し。ゴミ袋をそのままに置くと景観が良くないですが、サイトのテイストにピッタリ合うものを見つけるのもなかなかむずかしかったりします。こちらは、コンパクトに収納できるパネル型アイテムが人気のヨカと雑貨ブランド、シカクのコラボアイテム。
「自分のサイトに合う、ゴミ箱を探し求めて行き着いたアイテムです。ウッドとファブリックのコンビネーションと、分解するとフラットになりクルマに積載しやすい点が気に入っています。そんなにたくさんゴミも出ないので、このぐらいのサイズがちょうどいいです。」
ポップなアイテムでコーディネートされた寝床。
シックなリビングゾーンに対して、寝具周りはポップなカラーのアイテムでまとめられていて、テント内の良いアクセントになっていました。こういった色使いのバランスにも、センスの良さを感じます。シュラフとマットは、ネイタルデザインがNANGAやウッドフューエルとコラボしたアイテムでした。
「暖かさはもちろんですが、気分が明るくなるようなカラーに惹かれて購入しました。エアマットは、発売された当時人気で入手に苦労した記憶があります(笑)。長いこと使っていますが、タフな作りでこれからも活躍してくれそうです。ネイタルデザインのアイテムはインパクトがあるので、ちょっと置いておくだけで、サイトに面白味が出ていいですよね。」
エイジングされた道具たちが語る、キャンプの思い出。
さまざまな道具との出会いと取捨選択を経て、行き着いたepitaphさんのサイト。手入れを繰り返されたであろう道具たちのエイジング具合や、飾らない雰囲気が素敵でした。
こんなキャンプサイトにグッときた方は、長くキャンプを続けながら、自身のこだわりを煮詰めて煮詰めて、理想のちょうどいいサイトを追求してみましょう!
Photo/Taizo Shukuri