12月13日〜15日に開催された「GO OUT CAMP冬2024」。会場となった、ふもとっぱらのフィールドは、冬らしい寒さのなか、時折強風が吹いていました。そんななか、工夫を凝らし快適に過ごしていた、キャンパーさんたちにサイト取材を敢行。スタイルと快適性を両立させている、キャンプ慣れしたみなさんのアイテム選びと使い方とは……?
今回紹介するのは、見慣れないカラフルなテントの前でハンモックチェアに座りながら団らんの時間を過ごしていた、しげさん、しずくさんファミリーのサイト。取材班が感じた個性とこなれた雰囲気の正体とは……?
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一目惚れで手にした、ヴィンテージの3ルームテント。
このイエローとグリーンのテントは、知る人ぞ知るフランスのテントメーカー、マルシャルの「ドーム6」。マルシャルのといえば、通称・鉄骨テントと呼ばれる、ロッジ型のテントがヴィンテージ市場で人気ですが、こちらは珍しい3ルーム型のドームテントです。
「出会いのきっかけは、ネットのオークション。偶然見つけて、一目惚れして入手しました。誰ともかぶらないユニークなデザインで、ドームテントには珍しいコットン素材にかき立てられたんです。実際使ってみたら、結露しにくく暖かいので、今では冬の相棒になりました。」
もはや2LDK!空間使いと自由さに注目。
「ドーム6」は3つのドームを横に連結したような構造。しげさんは、この空間を2LDKの住宅のように使っていました。中には、ヴィンテージものから、今時のギアまで、素材感もテイストも違うカラフルな道具が散りばめられていてにぎやかです。
「テントの中央の部屋は、グラウンドシートの上にラグと、バリスティクス×マウンテンリサーチのブランケット、ペンドルトンの座布団を敷いて、かんたんにお座敷を作りました。真ん中に置いてあるアルミ製のちゃぶ台は韓国雑貨で妻のチョイスです。この上で、アルコールバーナーと鉄板を使って肉を焼いたりしてます。」
「両サイドのドームには、それぞれ2人用のインナーテントが付いていましたが、今回は外して、シェルターとして使っています。左の部屋にはチェアとテーブルを置いてちょっとしたリビングにしました。我が家の暖房は、リサイクルショップで見つけたニッセンの古い石油ストーブです。」
「右の部屋は、寝室です。このこじんまりした感じが落ち着くんですよね。コットが縦にちょうど入るサイズ感も気に入っています。」
アウトドアショップにあるとは限らない、道具との出会い。
サイト全体に漂う、かざらない雰囲気を作っていたのは、こういったアウトドアショップではお目にかかれないアイテム。
「この木製のおかもちや、象印の藤で巻かれたウォータピッチャーは、よく行く近くのリサイクルショップで発見しました。このデウォルトの工具箱もそうなんですが、アウトドア用ではないアイテムに何故か惹かれるんですよね。家で使っているものをそのまま外に持ち出している感覚です。」
ヴィンテージものや、日曜大工で使うアイテムだけでなく、このニーモのハンモックチェア「スターゲイズリクライナー」のような今感のあるギアも混ざっているのに、全体の雰囲気が調和して見えるのが興味深いところ。
「このチェアは純粋に座り心地や使い勝手の良さで選びました。特に色や素材の統一感はあまり考えずに直感で良いなと思ったものを取り入れています。」
方程式にとらわれないスタイルが、自然体さを生む?
サイトコーデの王道は、色や素材に統一感を持たせることとよく言われていますが、しげさんのサイトは、そんなセオリーだけが正解ではないことを教えてくれました。
こんな自然体なスタイルにグッときた方は、自分の感性のまま、ジャンルレスに好きなものをフィールドに持ち込んでみると、新しいインスピレーションが得られるかもしれません。
Photo/Taizo Shukuri