朝霧JAMはどう変わった?ー開かれたフェスになった日本随一のキャンプフェスー

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日本のフェスを代表し、間違いなく今のキャンプフェス人気の礎を作ってきたのが「朝霧JAM」。

静岡県富士宮市にある朝霧アリーナを軸に、朝霧ジャンボリーオートキャンプ場、ふもとっぱらをエリアとして、地元の人たちとともに作ってきた現代版のお祭りといえるコンセプトに多くの人が共感し年々拡大してきた。

しかし昨年まではアーティストの発表はチケット発売後かなり経ってから、なんならソールドアウトしてからの発表もあったほど。これは朝霧JAMの名物ともいえるもので、そのクローズ感がまたファン心理を盛り上げたりもしていた。それが、今年はアーティストの発表を7月20日に行い、常連客を驚かせた。

朝霧のメンツはいつも絶妙なところをチョイスしており、メジャーとマニア好きするところを行き来するようなラインナップで邦楽好きに洋楽の楽しさを伝えたり、洋楽好きに邦楽アーティストに目を向けるキッカケを与えてもくれる。そんな中、今回は今年のフェスには出ずっぱりともいえるBIGアーティスト「Suchmos」が登場した。

開催よりかなり前のアーティスト発表、Suchmosの登場と他のフェスと同様に開かれた印象が強くなった今年の朝霧Jam。一体どんな変化を見せたのかレポートいたします。

 

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ふもとっぱらにはテントがびっしり

開催前日の金曜日に雨が降り、また土曜日も小雨がパラパラとしていた今回。オートキャンプ会場であるふもとっぱらは午前11時にはすでにテントがびっしり張られていた。近年のキャンプ人気を象徴する景色。明らかに昨年よりもテントや車の台数は増えたと感じた。オートキャンプの便利さは何にも変えられないということかも。とはいえ、GO OUT CAMPのような装飾が派手なテントサイトは少なく、フェスらしい機能性を重視したようなサイトが多くを占めていた。くつろぐ人たちも持ち運びしやすいギアを用意し、ステージのある別会場へ持っていけるようにしていた。

 

会場間の移動はバス。台数は十分ありストレスはほぼなし

ふもとっぱらと場外駐車場であるグリーンパーク、そしてメイン会場の朝霧ジャンボリーオートキャンプ場の間はシャトルバスで移動。こちらがかなり便利で、ふもとっぱらをチョイスしてもステージまでの移動がそんなに億劫でなくしてくれている。バスの待ち時間に関しては人によって様々だろうが、我々取材班はストレスをほぼ感じない程度の待ち時間だった。おそらく昼間は5-7台程度が行き来しており、待っていたバスがすべて出ていっても、すぐに次のバスたちが揃って戻ってくるので周りからも「あと3回待てばいけそうだね」なんて声も聞こえてきた。

 

このステージを見ると朝霧に来た!!と思わせてくれる

メインとなるレインボーステージはステージ両脇に地元の食を中心としたフードブースが立ち並ぶ。またステージに向かって左側奥にはフジロックのField of Heavenに出ているアパレルブランドのブースも。またムーンシャインステージエリアにはクラフト系のブースが立ち並びショッピングやワークショップが楽しめる。毎年よく見るブースが並んでいることで安心するのが朝霧JAM。馴染みのお店で話す人や、いつも楽しみにしているフードを楽しむ人たちで溢れている。取材班は毎年クリームシチューブースへダッシュし、これを食すとイベントスタート!!を感じている。

 

朝霧ジャンボリーのキャンプはミニマルなサイト多し

朝霧ジャンボリーのキャンプサイトも見て回ったところ、タープ+テントすら少なめで4〜6人用のテント一発でまとめているサイトが多かったように感じた。MSRのパビリオンやノルディスクのスーなど大型シェルターも多く見られた。以前までだとキャンプサイトから出てきていないのでは?という人も多く見られたが、今回は話題のアーティストが多く出演していたこともあり、サイトにいるよりもステージ前にいることが多くなるだろうからこのようなサイト作りになっていたのでは、と思われた。

 

来場者の方に聞いてみた今年の朝霧JAM

(左から)アヤノさん、チユキさん、マサミさん、ルナさん

「朝霧JAMには初めて来ました。NO NAMEとTHEO PARRISHが目当てのアーティスト。フジロックよりゆるくて、自然をのんびり体感できる感じがしますね。でも一番好きなフェスはフジロック。あれは大人のワンダーランドですよね!!」

 

松永大樹さん

「今回で3回連続の朝霧です。他のイベントよりゆるくて無害って感じがいいですね(笑)。今回はお客さんもゆるい人かゴリゴリ遊びたい人かのどちらかが目立ってましたね。一度過去の大トリを並べたようなラインナップでやってほしいです」

 

初参加とここ最近の常連さん。どちらの方からも「ゆるい」というキーワードが聞けた。これは朝霧JAMのキーワードとも言える。のんびり過ごしながら、好きな時にアーティストを見て、好きな時にキャンプサイトでだらだらし、食べたい時に調理をしたり、ブースで買い食いしたり。自分のペースで楽しめるのがここの魅力。

 

で、朝霧JAMの何が変わっていたの?

こうやって2日間会場内を歩き回り楽しみまくった結果、感じたのはアーティスト発表が早くなろうが、今旬の邦楽アーティストが出演しようが、朝霧JAMが持つ「場の空気感」は絶大すぎて、その魅力は何も変わらず、よりたくさんの人を魅了していたというこのイベントの持つ強さのようなもの。情報が開かれ、より多くの人が集おうとも何もかわらない「ゆるさ」で我々を受け入れてくれるこのフェスはやはりエターナルな魅力を持った日本を代表するフェスといえる。

 

朝霧JAM

開催日程:2017年10月7日(土)8日(日)

会場:富士山麓 朝霧アリーナ、ふもとっぱら

出演者:(7日)BELLE AND SEBASTIAN/CARL CRAIG/BICEP (LIVE SET)/D.A.N./EGO-WRAPPIN’/GARLAND JEFFREYS/LOGIC SYSTEM/MARTHA HIGH with オーサカ=モノレール/MOUNT KIMBIE/SAICOBAB/WILKO JOHNSON

(8日)

Suchmos/THEO PARRISH/CHON/DJみそしるとMCごはんのケロポン定食/jizue/LORD ECHO (LIVE BAND SET)/NONAME/思い出野郎Aチーム/ペトロールズ/ROTH BART BARON/TXARANGO/UA/Yogee New Waves

 

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GO OUT編集部
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