世界一のフライングディスク競技者とフリスビーの表現者が出会って生まれた新しいGAME〜森 友紀/荒内健治 GO OUT CAMPインタビュー〜

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70年代アメリカのフリースタイルのエモさが自分たちの源流

ーアラケンが志向するフリスビーJAMってどこが発祥?

アラケン:元々はアメリカですね。LAのローズボウルスタジアムで行われていた70年代フリスビー黄金期の様々なフリスビー競技を集めた世界大会があって、そこでのフリースタイルは今の競技とは違うものみたいにエモくて。それが自分たちの源流だと思いますね。で、自分がフリスビーを始めた頃にインターネットで調べまくったらフランスのSpinCollectif Pari’sというチームのすごく面白い映像に出会って。その後、彼らと一緒にフリスビーをやるようになって、その自由な楽しみ方に刺激を受けました。で僕たちもパリの兄弟チームとしてSpinCollectif TOKYOというクルーを結成したんです。ちょうどその頃、そういった古いフリースタイルの大会の映像にある熱気やエモさ、出会ったフランスの連中の自由さにもやられて、パリに負けない、東京や日本ならではのアウトドアも飲み込んだストリートフリスビーのスタイルを模索していきました。今だとインターネットで全世界に配信されているので、世界の色んなところで僕と同じように影響を受けて面白いことをやり始める人が増えてるなって感じています。

 

ーストリートはSpinCollectif TOKYOのおかげでGO OUT CAMPでは相当浸透していますよね

アラケン:広い場所で投げ合うフリスビーの楽しさってキャンプに相性が良いんですよね。1枚あればすぐに遊べるし、キャンプ場は広いし。指で円盤をくるくる回すようなことも最初は誰もできなかったけど、今ではフリスビーエリアの常連さんだと上手にできるようになってますよ。僕の方ではキャンプだとどんなディスクが楽しめるのか、とか研究してますね。距離が取れるので飛ぶディスクの方が良いのかな、とか。「フリット」では浮遊感がすごくあって飛びが良い初めての人でも楽しめるリング状の円盤を使っています。低いハードルからはじめられ、自分らしさを出せれば「かっこいい」ところまでいけるフリスビーの奥深さが伝わっていれば嬉しいですね。

 

アルティメット+フリースタイル=「フリット」

ー全く違うアルティメットとストリートの要素を混ぜ合わせたのが「フリット」?

アラケン:そうです。「フリースタイル」と「アルティメット」の名前をあわせて、「フリット」という競技名にしました。今、GO OUT CAMPでやってるゲームは内容で言えばアルティメットとフリースタイルの楽しいところを両方入れた感じで、特徴的なのはアルティメットには存在しないドリブル。ブラシ(フリースタイルの技で、手でディスクを叩くようにして空中に回転させながら浮かせる)をしたまま走ればドリブルになる。バスケとサッカーとアルティメットって運び方が違うだけで、手に持って運んじゃいけないというルールは一緒なんです。なのでアルティメットにドリブルがあれば面白いかなと思って。ほかにもアルティメットは地面に落としたらNGだけど、バウンドさせてのパスだったらOKにしたり。このブラシやバウンドはフリースタイルやストリートの技なんですよね。あとゴールのところでカッコよくキャッチすれば追加得点があるという芸術点も入れました(笑)。本来競技なので安全にゴールに運んで得点するのが大切なのに、あえて最後のゴールのところで芸術点を追加したのもエンタメ性が増して面白いんじゃないかな、と。魅せるシーンを増やせばやってる人も見てる人も楽しくなると思うんで。そういう魅せる部分もストリートっぽいかもしれませんね。

森:ルールとしては1チーム5人で、最終的にはゴールエリアにいる味方にパスが通れば得点。ディスクは持って走っちゃダメで、パスするかブラシでドリブルするかで前に進めなきゃいないんです。試合の制限時間は参加した人の体力や、その日の参加人数で色々と変えてます。子供なら時間制にしたり、大人だと5点先取とか。

アラケン:あとアルティメットで面白いなと僕が思うのが審判がいないセルフジャッジだったり、男女MIXでできたり、スピリットサークルっていう最後にみんなで称え合うっていう行為があってそれが素晴らしいんですけど、そういうのは取り入れてます。男女MIXだと出会いもあるし、スピリットサークルというのは試合が終わったらみんなでワイワイできるっていう。そういうのって色んな所から色んな人が集まるGO OUT CAMPらしく遊べる要素になるんじゃないかなって思ってます。

森:「フリット」で良いのは芸術点があるから最後で逆転があるので、ワクワクしながら楽しめるんですよね。内容的には男女年齢関係なく楽しめると思いますよ。

アラケン:最初からチームを組んで参加してくれたら面白いですよね。キャンプに来てる仲間で参加してくれたら。

森:何チームか集まったらトーナメントとかも出来るもんね。ゆくゆくは3 on 3とかみたいな捉えられ方になれば良いなと思うんですよね。

 

ー次回のGO OUT  CAMP vol.15では色んな方に参加して欲しいですね。では最後にお互い円盤をつかって「遊ぶ」「競技する」中で共感できた点って?

アラケン:軌道の美しさ。見てるだけで楽しい。そういう円盤の姿はエモいんですよね。見ても投げてもブッ飛ぶんですよ。

森:アルティメットの試合で、選手も観客も綺麗な軌道のパスって「通るな」ってわかるんですよね。そういう放物線軌道は魅力ですね。ほかのスポーツで軌道の美しさと浮遊感を感じられるものってないと思うんですよね。これこそフライングディスク独自の魅力なんです。野球やサッカーなどのボール競技だと、落ちるところが見えるので足が遅い人だと追いつかないって捕まえに行くのを諦めちゃうことが多くて。でもディスクだとフワーッと浮いてるから追いかけたり、ダイビングして捕まえようとしたりするんですよ。それにボールに比べて面積が大きいのでなんとか触れられることも多くなる。それってすごい成功体験で。ちょっとカスッただけでも「次は捕れるんじゃないか」と思うんで、どんどんトライできるんですよね。

アラケン:で、その魅力をチームの名前につけたんですよね

森:チームというか私も関わるアルティメットのオフウエアブランドで「PARABORIC ORBIT」(放物線軌道)というのがあって、今後GO OUT CAMPではそのブランドも巻き込んで仲間を増やして楽しくやっていこうと思っています。

アラケン:フリスビーが飛んでいるのを見るだけでもフリスビーの魅力に触れられると思うので、エキシビジョンや友達の試合なども観戦しにきてください。フリスビー教室もあるので、ぜひ初めてのフリスビー体験にも! GO OUT CAMPで一緒に遊びましょう!!

 

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GO OUT編集部
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