軽量で歩きやすいパンツを、ULハイカーたちがこぞって愛用したことでブレイクした「迷迭香(マンネンロウ)」。その謎めいたブランドネームをはじめ、意外なコンセプトや今後の展開などを聞きにアトリエを訪ねた。
Table Of Contents : 目次
外遊びでもラフに着られる、「迷迭香(マンネンロウ)」の日常着的ワークウエア。

フレッシュな香りに記憶を活性化させる効果があると言われ、『追憶』 なんて花言葉もある、ローズマリー。日本でも馴染みがあるハーブの一種だけど、和名が〝迷迭香(マンネンロウ)〞 って知っているヒトは意外と少ないのでは? デザイナーの坂下史郎さんは、その稀有なブランド名の成り立ちについて、こう語る。
「そんな深い意味はなく、単純に匂いが好きなんですよ。10年前に川崎と山梨の二拠点生活をはじめて、庭にローズマリーを植えてみたら、めちゃくちゃ増えちゃって。ブランドをスタートさせたのが5年前だけど、このライフスタイルを象徴する名前にしたくて、ローズマリーがいいかなと。でも日本のブランドだし、英語圏で読めないほうがおもしろいと思って、和名の迷迭香にしました。結果、日本人も読めないっていう(笑)」 。
意外と身近なところから命名された迷迭香。しかしそれはブランドのコンセプトやアイテムづくりにも反映されている。「アウトドアウエアは、ジブンのライフスタイルを反映させないとリアリティがないですよね。ボクは釣りや登山もするけど、野菜やハーブも育てるから、ガーデニング用のパンツを作ったんですよ」。
それがブレイクのキッカケとなったハーベストトレーナー。ラフに穿ける野良着として提案したが、そこに目を付けたのがULハイカーたち。軽量性や機動力に優れたパンツは、瞬く間にULシーンに定着する。とはいえ、ハイカーブランドではないので、アイテム全体を俯瞰すると、さまざまな機能プロダクトが揃う。
「ボクとしては、 アウトドアとワークの中間くらいのデイリーウエアを提案していきたいです。あと、 ローズマリーは料理やお酒にも使えるから〝食〞 とも絡めたいです。それこそトレイルフードとか。そう考えたら、 結構いい名前じゃないですか?」 。











●3.5.6番車庫 住所:山梨県甲州市塩山下於曽537-2 シルクガレージ3.5.6. open:不定期 Instagram:@356bansyako
人気の火付け役となった機能美パンツ。
思いがけずハイカーたちの間で評判となった迷迭香のパンツは、シリーズ名に“ハーベスト”とあるとおり、ガーデニング用に開発されたもの。ルーツの1本を紐解くとともに、そこから派生したモデルを紹介。
ガーデニングで使える機能を詰め込んだ軽量ワークパンツ。

NYLON HARVEST TRAINER ¥15400
デザイナーがガーデニングを楽しむなかで誕生した、軽量ワークパンツ。汚れが気にならないナイロン素材や足捌きのいいシルエット、多彩なポケットワークにこだわった結果、ULハイカーたちが絶賛。ホントに優れた機能美は、シーンを問わずに歓迎されるのだ。
ナイロン生地を草木染めで仕上げたナチュラルな1本。

VEGE DYE NYLON HARVEST TRAINER ¥22000
ナイロン生地をカテキュー染料で草木染めしたモデル。九州の久留米市にある老舗工房、宝島染工に依頼して作られたこだわりの1本で、ほどよくアタリ感が出た独自の風合いがあり、ナチュラルな着こなしが楽しめる。
初期モデルの薄手生地が美色を揃えて待望の復刻。

NYLON HARVEST TRAINER CLASSIC ¥15400
最初期のハーベストトレーナーで使われていた薄手のナイロン生地が“クラシック”として復刻。軽量性と速乾性を求めるハイカーからの要望が多かったんだとか。こちらのパープルなど、復刻ならではの美色モデルも揃う。
タウンユースで重宝する“トラウザーズ”も大人気。

NYLON HARVEST TROUSERS ¥17600
ハーベストトレーナーの裾のリブとファスナーを無くし、その代わりにスナップボタンを装備したハーベストトラウザーズ。少しテーパードしたベーシックなシルエットで、ロープアップもできるためデイリーユース向き。
ショーツでもポケットのディテールは健在。

NYLON HARVEST SHORTS ¥13200
ハーベストトレーナーの素材やポケットまわりのディテールはそのままにハーフ丈に落とし込んだハーベストショーツ。薄手の生地を使ったライトモデルや、丈が少し長くなったルーズモデルなど、バリエーションも豊富。
色違いで揃えたくなるカラバリも魅力。

定番のハーベストトレーナーは豊富なカラバリも魅力のひとつ。現在は7色展開で、ブラウンはショップ限定カラー。さらに別注モデルも合わせると、その展開数はかなり多い。わりとリーズナブルなこともあり、色違いで揃えたくなると評判だけど、それにも納得。
(問)迷迭香 mannenro.official.ec
ルックスと機能を両立する秀逸プロダクト。
最新の機能素材を取り入れるだけでなく、そこに迷迭香のフィルターをとおして、ファッション性と機能性を両立させた最新プロダクトをラインナップ。ハイカーのみならず、外遊び好きは注目のアイテムが揃う。

MESH LONG SLEEVE SHIRT ¥17600
こちらもバグネット用のメッシュ生地で作られたL/Sシャツ。爽やかなストライプから覗く接妙な透け感がポイントで、インナーに着用したアイテムによって、雰囲気を変化させられる。

MESH ANORAK ¥19800
フロントにカンガルーポケットを配したベーシックなアノラックながら、特筆すべきはその生地。目の細かいメッシュ生地を採用して、防虫対策と通気性を両立した。カモ柄プリントも魅力。

MESH OVER PANTS ¥19800
アノラックとセットアップコーデも楽しめるメッシュパンツ。こちらも透け感があるので、オーバーパンツとして使うことを想定している。この夏はレギンスと合わせる女性ユーザーが多かったとか。

AXIO WOOL HIKER TEE ¥12100
ウールの肌触りや速乾性、防臭性はそのままに、毛玉になりにくいタフな機能素材、アクシオで作ったTシャツ。ハイカー用ながらカジュアルなルックスなので、デイリーシーンでも愛用できる。

VEGEDAY NYLON CAP 各¥7580
フロントパネルにサステナブル素材のオニベジの生地を取り入れたメッシュキャップ。ベースはシンプルな6パネルキャップで、ソフトな質感なのでコンパクトに折り畳んで持ち運びできる。

MAP FUROSHIKI ¥8800
イギリス空軍のエスケープマップから着想を得たマップ風呂敷は、山と高原地図とのコラボで誕生。撥水加工を施したポリエステル生地なので、急な雨のときに被れば、簡易的な雨避けにも。

てぬぐい ¥1980
洗練されたグラフィックのてぬぐいが蔓延るなか、あえて狙ったスーベニア路線。ブランド名とローズマリーを、白地にワントーンでプリントした極シンプルなデザインは、潔くも新鮮。

OCTA COAT ¥35200
軽量性と保温性を兼備する特殊なポリエステル繊維、オクタを採用したコート。膝まであるロング丈ながら、背面にスリットがあるため足上げしやすく、登山でも快適に着用できる。

OCTA COACH JACKET ¥29700
昨シーズンにリリースされ大反響だった、オクタ素材のコーチジャケット。今季モデルは襟まわりのデザインが刷新されアップデート。オクタのカラーリングもダークグレーに変更されている。

PADDED SHIRT ¥28600
発熱綿を封入した半袖パデッドシャツ。90年代ライクなデザインで、スタンドカラーにはオクタ生地のフードを収納。保温着ながらあえて半袖にすることで、多様なレイヤリングが楽しめる。

OCTA MOCK ¥14300
オクタミッドレイヤープルオーバーをベースに、首まわりをモック仕様にした新作アイテム。モック部分が長めに作られているので、ネックウォーマーやフェイスマスクとしても使える。

OCTA MIDLAYER PULLOVER ¥16500
アウトドア好きには定番のスナップボタンのプルオーバーを、オクタ生地で再構築。フワフワの着用感でバツグンの通気性を誇る。パッカブル仕様で、全8色展開とカラバリも豊富。

OCTA TEE ¥11000
ミッドレイヤーとして使われることが多いオクタ生地を、ベースレイヤーとして取り入れる提案。吸汗速乾性に優れ、その際はユニークな素材感がアクセントとして活躍。リバーシブル仕様。

LIGHT WEIGHT SWEAT CREW ¥14300
リバースウィーブのスウェットを山でも着たいけど、重いし濡れたら下山まで乾かない……。とい
うでことで作られた、ディテールはそのままに、ポリエステル素材で仕上げた1着。

AXIO WOOL LONG SLEEVE TEE ¥17600
機能素材のアクシオウールのL/SワッフルTシャツ。縫い目を減らした筒形ボディで、ストレフリーの着用感を追求。裾はヴィンテージのサーマルを彷彿とさせるオーバーロック仕様に。
(問)迷迭香 mannenro.official.ec
Photo/Fumihiko Ikemoto Report & Text/Masatsugu Kuwahara




