Table Of Contents : 目次
DELICA D:5 三菱を代表するデリカシリーズ、 50年のヒストリーを振り返る。
外遊び好きのマスターピースな1台といえる、デリカ D:5。そのルーツとなるデリカ トラックが誕生したのは、いまから50年も昔のハナシ。その変わらぬデリカのDNAを再確認すべく、歴代モデルをおさらいしてみた。
1st 1968〜 DELICA COACH
キャブオーバータイプの小型トラックとして誕生した、初代デリカ。69年に追加発売 したサードシートを備えた9人乗りのコーチが、その後のキャブオーバーワゴンのルーツとなる。また、オートキャンプ時代の幕開けに伴い、ポップアップ式ルーフを備えたキャンピングバンも発売された。
2nd 1979〜 DELICA STARWAGON
「スターワゴン」と呼ばれる2代目。82年には小型キャブオーバー車として初の4WD車が登場。初代パジェロに搭載されたハイ・ロー切換ができるトランスファーのパート タイム方式を採用し、4WDワンボックスとしての歴史がスタートした。この当時から冬の特別仕様のシャモニーが登場。
3rd 1986〜 DELICA STARWAGON
軽量化やボディ剛性に配慮するためモノコックボディが採用され、やわらかなカーブ形状で構成された個性的な新フォルムは、ソフトキューブスタイルと名付けられた。 この時代の「スターワゴン」は根強い人気を得て、4代目デリカのスペースギアのデ ビュー以降も継続販売されていたほど。
4th 1994〜 DELICA SPACEGEAR
この「スペースギア」から、エンジンをノーズ部に収めるフロントエンジンレイアウトに変更し、衝突安全性を向上。また、前席からラゲッジまでフラットフロアとし、前席から後席へのウォークスルーを実現。パジェロで好評のスーパーセレクト4WDで、卓越したオフロード性能も発揮した。
5th 2007〜 DELICA D:5
キャブオーバータイプの居住性と積載性、オンロードもオフロードも走れる機動性を 合わせ持つSUVテイストのミニバンを目指した、現行の「D:5」。伝統のスクエアなボ ディと直線基調の外観デザインは健在だ。2013年には、ファンの要望に応え、クリー ンディーゼルエンジン車が追加された。
LATEST 2018〜
春に一部改良をうけた最新型は、フェイスデザインに変更が施され、アンダーカバー 一体型のフロントバンパープロテクターを装備し、さらにタフなイメージを獲得している。来年にはフルモデルチェンジがウワサされているので、ある意味、熟成されたといえる最終型はイマが狙い時かも。
遊びの歴史を積んで走って50年。唯一無二の4WD箱型ミニバンに。
外遊び好きが選ぶクルマとして、いつの時代も外せない、デリカシリーズ。現行のデリカD:5は、本格的な4WD性能を備えたワンボックス車として、唯一無二のポジションを確立している。
そもそも、デリカは〝デリバリーカー〞を名前の由来とし、68年に発売されたトラックをルーツとする。商用車として高度経済成長時代の物資輸送を担っていたモデルが、初代なのだ。
「スターワゴン」を擁して、ワンボックス乗用車として歩み始めた2代目は、82年に日本初の4WDワンボックスワゴンを追加し、パジェロとともにRVブームの火付け役となった。
モノコック構造を採用した3代目は、いま現在もマニアが存在するほどの人気モデルで、4代目にあたる「スペースギア」は、エンジンを車体前方に搭載するミニバン形式へとシフトし、フラットフロアにすることで、安全性と快適性をさらに向上。そして、乗用車的なオールラウンダーミニバンへと進化したのが現行モデルである「D:5」となる。
また、4WDシステムは「スターワゴン」で、ハイ・ローレンジ切換ができるパートタイム4WDを搭載。
「スペースギア」で、パートタイム式とフルタイム式の長所を兼ね備えた独自のスーパーセレクト4WDに「D:5」で、路面状況に応じて最適なモードを提供する電子制御4WDに進化。ある意味、デリカの 歴史は4WDの変遷ともいえるのだ。
いまや、デリカD:5は、4WD箱型ミニバンというジャンルにおいてライバル不在といえる1台に。様々な道路状況において、確実に乗員や荷物を目的地まで運ぶためのクルマとしての初代から、遊びの歴史を積んで走ってきた50年があるからこその、現在といえる。そして、これから先も常に、外遊び派のマスターピースとして存在し続けることだろう。
Photo/Kenji Fujimaki
Report & Text/Masatsgu Kuwabara
(問)三菱自動車 お客様相談センター tel:0120-324-860 http://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_d5/