
世田谷線・上町駅から商店街を数分歩いた先にある「SUNDAYS BEST(サンデイズベスト)」は、アメリカ買い付けの古着や雑貨、そしてオリジナルアイテムが並ぶショップだ。
店主・横瀬さんが20代の頃から続けてきた“アメリカの空気を日本の日常に落とし込む”という感覚が、そのまま形になったような空間。現在はデニムやカーディガン、ソックスを中心としたオリジナルアイテムを軸にしつつ、アメリカで見つけてくるブランケットやテーブルクロス、雑貨が、コンパクトな店内にギュッと詰まっている。
今回は、そんなSUNDAYS BESTに足を運び、上町という街でどんな店づくりをしているのか、オリジナルアイテムのこだわりやアメリカ買い付けの裏側まで、横瀬さんにじっくり話を聞いてきた。
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スニーカー店のバイヤー経験から、「SUNDAYS BEST」が生まれるまで。

店主・横瀬さんがアパレル業界に足を踏み入れたのは、20歳頃に働き始めた下北沢のスニーカーショップがきっかけ。そこでバイヤーとして展示会に同行したり、アメリカ買い付けを任されたりと、「仕事としてアメリカに行く」経験を重ねてきた。
その後、友人とオンラインのスケートショップを運営したのち、2014年に独立。東京・中目黒で「SUNDAYS BEST」をスタートさせる。

中目黒では約9年営業し、3年前に現在の世田谷・上町へ移転。自身の居住地からも近く、「落ち着いた商店街の雰囲気」と「近隣の個人店同士の距離感」に惹かれて、この場所を選んだという。
中目黒時代は30〜50代の客層が中心だったが、上町に移ってからは、中高生やファミリー層と、年齢も性別も幅広くなった。駅から少し歩く立地でありながら、「ここを目的地にして足を運んでくれる」ことも前向きに捉えている。
メキシコ料理店とディズニーランドから着想した、ポップな内装。

内装デザインは、アメリカにあるメキシコ料理店の色彩やタイル使いをイメージしているそう。木材を塗りつぶした壁や、角を丸く処理した造形など、「ディズニーランドの街並み」のような作り込みを意識して仕上げている。

外観の大きな特徴になっているのが、「瓦(かわら)」を模した外装。雨どい用のパーツを加工して瓦のように見せたもので、ショップのステッカーなどにも使われる象徴的なモチーフになっている。

店内には、その“瓦”の小部屋を中心に、アメリカで買い付けた雑貨や古着、オリジナルアイテムが所狭しと並んでいる。内装と商品が一体になって、独特の空気感を生んでいるのもこの店ならではだ。
いまの主役は“ほぼオリジナル”。デニムとカーディガンが軸。

REGULAR FIT ICE BLUE DENIM ¥18480
現在のSUNDAYS BESTは、ほとんどがオリジナルアイテム。なかでも横瀬さんが特にこだわっているのがデニムだ。色落ちとサイズ感にとことんこだわった一本。
イメージしているのは、「アメリカのデパートで売っているような、ぼやっとしたチープな色落ち」。ブランドもののヴィンテージではなく、日常の中で当たり前のように穿かれているジーンズの空気感を、日本で再現したいという思いからつくり始めたという。

サイズ感やフィット感もポイントで、「太すぎず細すぎない」絶妙なバランスを追求。穿き心地はラフでも、だらしなく見えないよう、レングスやシルエットの微調整を重ねている。展開色や仕上がりのパターンも増え、気がつけばバリエーション豊富なシリーズになった。

COTTON KNIT CARDIGAN/CHEDDAR CHEESE ¥16280
デニムと並んで、SUNDAYS BESTのメインプロダクトといえるのがオリジナルのコットンカーディガン。
通年使える素材としてコットン100%を採用。Tシャツの上にさらっと羽織ったり、寒い時期はインナーとして差し色にしたりと、季節を問わずワードローブに入り込む一枚だ。リブと同じ編み込みデザインのポケットもかわいい。
シルエットはベーシックにまとめつつ、カラー展開で遊べるようにしているのも特徴。デニムとカーディガンをベースに、キャップやソックスなどの小物を足していけば、SUNDAYS BESTらしい日常着が自然と組み上がっていく。
ブランケットとテーブルクロス、宇宙人たち。アメリカ買い付けの“雑貨”。

オリジナルウエアと並んで店の雰囲気をつくっているのが、アメリカで買い付けた雑貨や古着。ブランド名よりも「形」や「色」、「お土産物のような感じ」といった横瀬さんのフィーリングを重視して選んでいる。
目を引くこのカラフルなブランケットは、ひざ掛けにしたり、ソファに掛けたり、ベッドの足元に一枚足したりと、使い道はいろいろ。テーブルクロスも、テーブルに敷くだけでなく、棚の目隠しなど布として自由に使えるアイテムとしてセレクトしている。

雑貨エリアでは、エイリアンや恐竜モチーフのアイテム、映画で登場したミニチュアなどのグッズも存在感がある。とくにエイリアンの存在感は抜群。ニューメキシコ州ロズウェルは、町おこしでエイリアンを前面に出している街として知られ、そこで見つけた木彫りのエイリアンは、横瀬さんがつい多めに買い付けてしまうお気に入りのひとつ。

「アメリカのお土産屋に並んでいそう」な雰囲気の雑貨は、実際に鍵につけたり、バッグにぶら下げて、日常のなかでちょっと気分のアガるアイテムだ。


さらに、アメリカ定番のデオドラント剤や事務用品ブランドが作るグリップ力の高い手袋など、実用性と遊び心を両立した日用品系のアイテムも並ぶ。
横瀬さん自身も荷物運びや重いものを持つ作業の際に愛用していて、「重たいものが軽く感じるくらい」と話すほど。自転車に乗るときやトレーニング用のグローブとして使うのにもよさそうで、滑りにくさとタフさ、そして豊富なカラー展開が魅力になっている。
どれも「こういうのがあったらいいな」という感覚で選び、セレクトの基準はあくまで自分の直感だ。
「細く長く」。家族と一緒に続ける、ローカルなショップ。

HOLA AMIGOS ALIEN STUFFED TOY ¥6600
SUNDAYS BESTのこれからについて聞いてみると、「この街で、細く長く続けていきたい」という言葉が返ってきた。
年2回のペースでアメリカに買い付けに行き、自分の感覚で選んだものや企画したオリジナルアイテムを、店頭とオンラインを通じて届ける。現在は奥さまと一緒にショップを運営しながら、世田谷のローカルな生活を楽しんでいるという。
帰り道は、世田谷線ローカルで一息。

横瀬さんに「この辺で好きなお店ありますか?」と聞くと、近くの居酒屋やコーヒーショップなどを教えてくれた。そのなかでも今回は、世田谷駅近くのカレー店「HUTCHERSON(ハッチャーソン)」に足を伸ばしてみた。
世田谷通り沿いのビル2階にある小さなカレーショップで、この日はロースカツをのせたビンダルーカレー「カツ・ビンダルー」をオーダー。

ビンダルーらしいキレのある酸味とスパイス感のあるルーに、薄めのロースカツがよく馴染んでいて、見た目のボリュームのわりにスルッと食べきれてしまった。副菜の食感や風味も合間に挟まって、最後まで飽きずに楽しめる一皿だ。
アメリカの空気と、上町のゆったりとした雰囲気が混ざり合う場所。

デイリーユースしたくなるオリジナルアパレルにはじまり、かわいらしいエイリアンのぬいぐるみや、ストリングライトなどの雑貨。アメリカの企業ロゴを配したキャップにボトル、柄や配色で選びたくなるブランケットやテーブルクロス。
どれも「特別な日のためにクローゼットの奥にしまっておく服やモノ」ではなく、部屋のフックやソファの端っこにラフに置いておきたくなるようなものばかりだ。そこに、世田谷線沿線のゆるやかな空気と、商店街のローカル感、横瀬さんの柔らかな雰囲気が重なって、SUNDAYS BEST独自の居心地の良さが生まれている。
世田谷線に揺られて上町で降り、商店街をぶらぶら歩いた先で出会う小さな店。そんな距離感で、アメリカの空気とローカルな日常が混ざり合った「自分の好きなもの」を探したくなったら、SUNDAYS BESTの扉を開けてみてほしい。
■SUNDAYS BEST
住所:東京都世田谷区世田谷2丁目29−5
Open:(火〜土)13:00~18:00
tel:03-6772-3988
Online Shop
thesundaysbest.com/
Instagram
@sundaysbest_yok
