ウインタースポーツやマリンスポーツ、そしてロード・マウンテンバイクなど、大型の道具を伴う様々なアウトドア・アクティビティを楽しむ世界中の人達によって支持されている、北欧・スウェーデン発のブランド「THULE(スーリー)」取材レポートの後編。
本稿では、プレスイベントのメインとなるショー「THULE Experience = THEX 」の様子をご覧頂きつつ、同イベント翌日に行った「THULE」企画開発チームへのインタビューをご紹介。開発秘話などを交えながら、本ブランドの更なる魅力をお伝えしていく。
※ 前編の【開発・テストセンター編】を見逃した方、また読み返したいという方はこちらから。

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「THULE」の本気度が伝わる、圧巻のランウェイショー!
初日のヒラーストープでの製品テストセンター見学や、本社ビルでのセッションで、モノ作りに対する実直さとサスティナビリティに対する本気度、そして気候変動で失われた環境への取り組みなどに触れたわけだが、この2日夜に行われたイベント「THEX」では、「THULE」チームによる最先端クリエイティブと熱意、そしてブランドとしての“ホンモノ感”を体感することになる。

ランウェイ形式で行われたショーでは、「THULE」の契約アンバサダーがモデル役となり、同ブランドのバラエティ豊かなエクイップメントを装備した自動車が次々と登場。

前回のレポートでもご紹介したが、同ブランド初期に作られたスキーキャリアに、世界初のブロー成型ルーフボックス“Combibox”を積んだクラシックなボルボ・エステートもお出まし。アンバサダーが着用したウエア類も、80年代当時を忠実に再現しているという粋な演出だ。

80年代製と思われるこちらのクラシックボルボ、驚いたことにフロントのエンジンを取り払い、EVに換装されていた。施設内という環境を考慮しているとはいえ、こういう場面で“ゼロエミッション”のビークルを走らせるところに「THULE」の環境問題に対する本気度が伺い知れる。

「トヨタ」ランドクルーザー 250も登場。素早い展開を可能にし、ルーフボックスの機能も併せ持ったハードシェルタイプのルーフトップテントが装着されていた。

さらに「スバル」アウトバックもアンバサダー達を引き連れてランウェイに。日本のSUVも存在感を発揮し、ショーの雰囲気を盛り上げていた。

アウトバックにはMTBを載せたルーフマウント型のサイクルキャリアが装着され、その横にある縦に長く伸びたケースは、なんとフィッシングロッド収納用として開発されたものだとか。

このサイクルキャリアも「THULE」お得意の製品カテゴリー。前出のルーフマウント型は日本でも展開されているが、自動車のリアに付くトウバーマウント型は日本の道路交通法への適性から、限定的な導入となっている。しかしヨーロッパでは圧倒的な支持が得られており、出かけた先での仲間やファミリーとの自転車ツーリングに最適だ。

様々な形のキャリアーが登場。アンバサダー達がバイクを外して、お得意のパフォーマンスを披露するシーンも。

その中でも一際目立っていたのが、世界でも注目されているバイクトライアルの日本人プロライダー、西窪友海さん。天賦の才能とも言うべき、優れたバランス感覚で圧巻のパフォーマンスを披露してくれた!

こちらの車では、テント内空間を広く快適にした次世代ルーフトップテント“Thule Approach”をデモンストレーション。セットアップは想像以上に簡単で、また手早く仕舞うことができる。

開くとご覧のとおり。サイズは2人用の S、2〜3人用の M、3〜4人用の L からチョイスできる。リアハッチ下のトウバーにつけたタイプは日本では未展開。

また、ルーフキャリアやバッグカテゴリー以外にも、「THULE」が注力しているカテゴリーがある。乳幼児を乗せるベビーカーだ。
上画像の”Thule Urban Glide 3”は、幼児を乗せたジョギングにも対応する「全地形対応ベビーカー」として、耐久性と安全性の高さが噂を呼び、欧米では大人気のアイテムとなっている。こちらは日本でも展開が始められており、徐々に認知度が高まっているようで、都内では『Runtrip Base Yoyogi Park』にてレンタル走行が可能なのだとか。

過去に(また現在でも)サーフィンを趣味としている方ならその名を聞いた事があるであろう、世界を旅するビッグウェーブサーファー、Garrett McNamara(ギャレット・マクナマラ)の姿も。彼は10年以上前から「THULE」のアンバサダーとして名を連ねている。彼の名を冠したサーフボードケースも登場していたが、こちらは残念ながら日本では未発売。

というわけで、眼を見張る映像表現と最新デジタル技術による光の演出によって構成された「THEX 」のランウェイショーは、「THULE」のクリエイティビティを全面に押し出しつつ、総勢50人を超えるアンバサダー達の個性と魅力を最大限に引き出した素晴らしい内容だった。

ショーのあとは、すべての参加者にオリジナルのクラフトビールやワインなどが振舞われ、ゲストDJとミュージシャンによる音楽の饗宴という、まるでナイトクラブのような展開に。

深夜遅くまで行われていた今回の「THEX」。イベントの全貌は同ブランドの公式 YouTube チャンネルに動画がアップされているので、興味がある方は以下からチェックしてみよう。
