ヨーロッパの中でも、アウトドアの聖地とも謳われる北欧、スカンジナビア。この地域で生み出される洗練されたデザインは「スカンジナビアン・デザイン」と呼ばれ、ファッションやインテリアグッズ、そして家具や工業製品に至るまで、世界中で知られている。
その中でも、他のブランドとは一線を画すプロダクト構成で、様々なアクティビティを楽しむ世界中のアウトドア派から注目を集めているメーカーがある。それが今回ご紹介する、スウェーデン発の「THULE(スーリー)」だ。

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ルーフキャリアではトップブランド。そしてバッグカテゴリーもスタイリッシュ!
この「THULE」というブランド、スノーボードやスキーといったウインタースポーツやサーフィン&カヤックなどのマリンスポーツ、さらにはマウンテンバイクといったアクティビティ時に車で出掛ける方には、それらの遊び道具をストレスなく、かつ安全に愛車に搭載できる高品質なルーフキャリアブランドとして既にお馴染みかもしれない。

また、2010年からはアドベンチャーでのパッキングや気軽な旅行に使えるバッグ作りにも進出。最近ではビジネス出張にも使える 2wayバックパックや、ノート PC対応のケースなど、幅広いスタイルで展開され、“スタイリッシュなバッグブランド”として多くのファンを獲得している。

そんな「THULE」は、本社をスウェーデン南部の都市、Malmö(マルメー)に置き、企画、開発、そして製品テストまでをブランドの創業の地である同国南部の Hillerstorp(ヒラーストープ)にて一貫して行なっている。

高い品質、安全性、そして使いやすさを考え抜いた機能的なデザイン。さらに環境への配慮といった全てのエレメントを高次元でプロダクトに落とし込むためのモノ作りは、どのような背景で行われているのか?
その答えを探るべく、今回、本国にて行われた同ブランドの大規模イベント「THULE Experience = THEX」が行われるタイミングで、本社とテストセンターを取材する機会を得ることができた。早速ご覧いただきたいところだが、本題に入る前に「THULE」ブランドの歴史を軽くおさらい。

「THULE」は1942年、アウトドア・エンスージアストであった Erik Thulin(エリック・スゥーリン)氏により、北欧・スウェーデンのヒラーストープで創業。当初は、北欧でのメジャーな釣りの対象魚、パイクを捕るための漁具の開発から事業が始まった。
その後エリック氏は、アウトドア愛好者のために更なるプロダクトを開発。1962年に最初のスキーラックを登場させ、その後ルーフバスケットやサーフキャリアなど革新的なプロダクトをデザイン・製造し、アメリカ市場を中心に世界中へとマーケットを拡大させることに成功。そこから現在に至る「THULE」の革新的プロダクトストーリーが続くわけだ。

「THULE」の地、スウェーデンに到着。耐久性抜群のトラベルバッグは北欧の石畳に映える。
東京から13時間のロングフライトを経て、最も近隣の都市であるデンマーク・コペンハーゲンの空港に到着し、スウェーデンとの国境であるエーレ海峡を電車で移動。「THULE」本社があるマルメー中央駅までは僅か30分という近さだ。
マルメー中央駅に到着し、ヨーロッパ特有の石畳の道を移動。大型で耐久性の高いタイヤがついている「THULE」のキャリアーは、こういった凸凹路でも不安なく前へ進む。綺麗に道路が舗装されている日本では 4輪のスーツケースが主流だが、こういう場所では機動性の高い 2輪タイプの方がストレス無く移動できる。石畳の多いヨーロッパへ旅行を計画している方は頭に入れておくと良いだろう。

マルメーの港に佇む本社ビルに到着すると、プレスデーに合わせて各国のジャーナリストが続々と到着していた。皆さん「THULE」のプロダクトを持参してこのイベントに参加しており、本ブランドのホームで見るバッグは洗練されていて格好いい!
そして取材チームは用意されたバスに乗って一路北へ。自動車のルーフに取り付ける高品質なルーフバーやルーフトップテント、そして機能的なバッグなどの開発や物理的な製品テストが行なわれるヒラーストープセンターへ向かった。

到着したヒラーストープセンターは、スカンジナビアの広大な自然が広がるスウェーデン南部の小さな街、スモーランドの工業団地の中にある。その敷地面積は、驚くほど広大だ。

しかし、設計から最終工程のテスト、梱包までが行われるヒラーストープセンター内は、当然のことながら撮影禁止。というわけで、ここからは公式に公開が許可された画像を使いながら施設内の様子をお伝えしよう。
独自のテストプログラムは、国際標準を超える極限の環境を想定して行われていた!
施設内に移動すると、自動車の衝突実験テストなどで見るものとよく似た試験ユニットが目に飛び込んでくる。ここでは、「THULE」の製品が極限の環境に対応するために必要な工程として、砂漠の暑さから北極の寒さ、耐水性、落下試験、風洞、引張応力、衝撃、衝突試験といった、非常に過酷なテストを受けているのだ。

このセンターで行われている製品テストは、「THULE」独自のプログラムによって行われる。それには現在のISO(International Organization for Standardization、国際標準化機構)の要件をはるかに超えたテスト規格も含まれているというから驚きだ。

バッグ部門に関しては、コスト的な理由も含めて生産拠点がアジア中心の契約工場で行われているものの、設計からサンプル作成、製品の耐久テストなどはこのヒラーストープセンター内で行われる。そして得られたフィードバックを元に、最も信頼される契約工場と製品データを共有し、厳密に管理された中で生産が行われている。

そういった生産背景を経て、ISOの要件を超える独自テスト規格をクリアしたものだけが市場に行き渡るわけだが、それらの製品には、環境への負担を無くすことを目標に世界的に認知され、持続可能なサプライチェーンを経た製品にのみ付与される 「bluesign®︎」の認証も得られている。

また、「THULE」の製品が現実世界で確実に提供されるように、契約アンバサダーによって日常的に使用され、彼らからのフィードバックが生かされることで、製品の品質を限界まで押し上げているという。

取材を通して見た一部は「THULE」の公式 YouTube チャンネルにアップされており、そちらを見て頂ければ今回の取材のリアルな雰囲気が伝わると思うので、以下の動画を是非ご参照いただきたい。
初日のヒラーストープセンターでの見学を終え、2日目は午前中から本社ビルにて「THULE」ブランドのモノ作りにおける哲学や、研究・開発秘話などが紹介された。
また、ヒマラヤに近いネパールの村での災害をサポートするための特別なセッションなど、地球上で起こっているさまざまな問題へ対応するための環境への取り組みも取り上げられ、エベレスト登頂のガイドであり最多登頂の記録を持つネパール人登山家、Apa Sherpa(アパ・シェルパ)氏を招いてのセッションなどにも熱心に耳が傾けられた。

更にその後、今回のプレスイベントのメインとなるショー「THEX 」が開催され、「THULE」の開発チームやアンバサダー達に接触。本ブランドの更なる魅力を探ってきたのだが、その模様は次回【THEXショー、インタビュー編】に続きます!
(問)THULE www.thule.com/ja-jp/




