
世田谷線・世田谷駅から徒歩5分。世田谷通り沿いにある「FRIDGE(フリッジ)」は、古着、新品、雑貨、観葉植物までが同居する不思議なセレクトショップ。
2014年に桜3丁目でスタートし、2015年に上町へ移転。さらに2025年、現在の店舗でリニューアルオープンし、地元の住民やファッション、アウトドア好きにまで支持されている。

今回は、店名のFRIDGE(フリッジ)のように、“街の冷蔵庫”として、いろいろなカルチャーが詰め込まれた存在である同店を訪問。オーナー熊坂さん、店長米沢さんのセンスと人柄の滲み出る店内は、まるで友人の部屋に遊びに来たような、気取らない空気が漂っていた。
Table Of Contents : 目次
世田谷通りの、生活感と遊び心が混ざり合う店内。


お店に入るとまず目に入るのはポップアップエリア。入り口右側も同エリアとして展開されており、その時々で、他のショップではまず見たことのないようなアイテムが並ぶ。


奥には雑貨やシューズ、アパレルにアウトドアブランドのアイテムなど、アイテムのセレクトはジャンルレス。少し視線をずらすだけで、好奇心が掻き立てられる。

「自分の部屋を広げたような感覚」と語る店長・米沢さんの言葉どおり、肩肘張らずに物色できる、力の抜けたレイアウトが心地いい。



店内外を彩る大きな観葉植物も印象的だ。店前には、前店舗から引き継いでいるオリーブや、以前の店舗からフリッジのシンボルマークにもなっていた、シューズを鉢にした観葉植物が並ぶ。
店内には巨大なビカクシダがあったりと、いたるところにグリーンが点在し、落ち着く雰囲気に。
食品から古着まで揃うユニークなセレクト。


雑貨、アパレルはもちろん、食品やホビーまで取り扱っているのもフリッジの魅力。
レジ前には、オーナー熊坂さんが北海道の道の駅プロデュースを通じて出会った人や、なかよくなったお客さんやショップから仕入れた商品も並ぶ。オレンジジュースや北海道のご当地お菓子など、セレクトショップらしくないアイテムが置かれている。

今回移転して常設されているのが、古着のエリア。これまでオーナー熊坂さんが出張のたびに各地でコツコツ買い付けてきた古着が、移転を機に展開されており、「at/no/real」(@atnoreal_tokyo)として運営中だ。

バックヤードには山のような古着ストックも積まれ、その量は圧巻。タイミング次第でお気に入りがみつかるかもしれない、そんな楽しみも与えてくれる。
フリッジならではの、今手に入れたいアイテムたち。

フリッジのラインナップは、古着や雑貨だけでなく、国内外から選りすぐられた新しいブランドも豊富。
オーストラリア発のライフスタイルブランド「SUKU HOME(スクホーム)」の、店頭で人気なアイテムがロングスリーブのセットアップ「WINTER SET」。しっかりした素材感ながら肌触りは柔らかく、リラックスウェアでありながら街着としても使える万能さが魅力だ。
スタッフも普段から愛用しており、ユニセックスなのでパートナーとシェアすることもできる。デザイン性と着心地を兼ね備えている。

【MAFIA BAGS】Discover Pack ¥38500
8月から特集展開している「MAFIA BAGS(マフィアバックス)」も要チェック。廃棄予定のヨットのセイルクロスやロープを再利用してつくられるバッグは、パタゴニアとのコラボ実績もあるサステナブルなブランドだ。
軽くて丈夫、そしてデザインも、唯一無二でバリエーション豊か。通勤やアウトドア、街歩きまで幅広く使えるため、環境意識が高い層だけでなく、普段使いを求める人にも支持されている。


【EVCON x FRIDGE】別注 PIGMENT S/S TEE ¥8580
さらに、東京のブランド「EVCON(エビコン)」に別注したTシャツも人気だ。古着のようにこなれた質感で胸元にフリッジの“F”の文字を配したデザインは、シンプルながら存在感があり、ここでしか買えないスペシャルな一枚。
地元クラブ「世田谷ユナイテッド」とのつながり。

フリッジはファッションの枠を超えて、地域との関わりも深めている。オーナー熊坂さんのサッカー好きが高じて、地元クラブ「世田谷ユナイテッド」のスポンサーを務め、ユニフォーム制作にも協力しているのだ。
店内に飾られたチームグッズを見て興味を持ち、試合を観に行く常連も少なくないという。
スタッフ御用達、“サイゴン”のフォーと“長崎飯店”のちゃんぽん。

スタッフ御用達のご飯屋も、フリッジの日常には欠かせない存在だ。上町時代から通い続けている定番「亞細亞食堂サイゴン」では、テイクアウトできるフォーの中でも「鶏肉フォー」が一番人気。店内で食べられる“サイゴンラーメン”という味噌ラーメンも絶品だという。

中華料理の長崎飯店もスタッフに人気で、チャンポンやチャーハン、さらにはモツ煮までが定番メニュー。レジ後ろにはサイゴン、長崎飯店それぞれのメニュー表が貼られ、日常的にテイクアウトしているそうだ。
──世田谷のローカルグルメを味わったあと、ふらっとフリッジに立ち寄って雑多に広がるフリッジのセレクトをディグる。食もファッションもごちゃまぜに楽しめるのが、この店の特別な居場所感だ。
スタッフもお客さんも心地よい、フリッジはそんな“いい店”であり続ける。

「二日酔いの翌日に散歩しながらふらっと寄りたくなったり、サクッと1000円くらい気持ちよく使いたくなる、そんな店が理想ですね」と語るのはオーナー熊坂さん。気軽に立ち寄れて、ちょっとした楽しみを持ち帰れる場所──それがフリッジのスタンスだ。

「今は店を増やすとかよりも、一緒に働いているスタッフが気持ちよく働けることが大事。その中で昔の仲間ともまた仕事できたら最高だなと思う。そんな“具合のいい店”として続けていければ」と話してくれた。
■FRIDGE
住所:東京都世田谷区世田谷1-12-14 原ビル1-A / 世田谷駅徒歩5分
Open:12:00~20:00(土日:11:00-20:00)
tel:03-5799-4786
Online Shop
fridgesetagaya.shop-pro.jp
Instagram
@fridge.setagaya
