ハイキング、フライフィッシング、クロスカントリースキー、そしてロッククライミングなど、競い合うのではなく、自身と向き合い楽しむスポーツ「QUIET SPORTS」。そんな、1960年代後半にアメリカで生まれた言葉を冠した長野発のブランドQUIET SPORTS(クワイエットスポーツ)。
2013年からタイベック素材を使ったチョークバッグを作り始めたことをきっかけに、現在は、クライミングパンツなどを中心にさまざまなファッションアイテムを展開する彼らが、ブランド10周年を記念して「TACOMA FUJI RECORDS(タコマフジレコード)」とのコラボTをリリースしました。
10周年コラボTについて紹介する前に、くだんのチョークバッグとクライミングパンツについても触れておきましょう。
Tyvek Chalk bag
置き型チョークバッグは、外側にはハードタイベック、内側にはソフトタイベックを用いた、ポケットもブラシホルダーも無いシンプルな袋。マクドナルドの紙袋をチョークバッグにしているクライマーがいるというウワサを聞きつけたクワイエットスポーツが、「それでいいんだ!」と衝撃を受けたことから、製作がはじまったとか。
現在は、腰付けタイプや、X-PACを使用したものなど、さまざまなバリエーションを展開しています。
Do pants LT “Light and Tough”
クライミングパンツ「Do pants」は、ロッククライミングと日々の活動に必要な最低限の機能だけを備えたシンプルなパンツ。ウエスト周りはゆったり、裾に向けて緩やかにテーパードがかけられたお馴染みのシルエットで、ハーネスとの干渉を避けるため横にずらしたバックル、ポケットの絶妙なカーブや位置など、機能もデザインも妥協なし。多くのひとに愛される理由です。
SONY DSC
前置きが長くなってしまいましたた、今回ご紹介するのが、こちらのコラボTシャツ。今年限定のスモークグレーカラーのボディに、ジェリー鵜飼氏のデザインを載せたキャッチーな逸品ですが、ブランド側からは以下のような意味深なストーリーが併せて届いています。
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「あぁ、ジェリーをダウンワードバウンド式ゾーンシステム*に当てはめるなんてバカバカしくてやめたのさ…。」とあるレジェンドクライマーはそう語った。10代後半でトリプルクラウンを達成、コンチネンタル・ディバイド・トレイルの名物ガイドとなり、小さな体で山道を軽快に歩く姿から「マウス」と呼ばれた若き日のジェリー・マルケス。写真嫌いだったと言われるその頃の姿を記録した写真は驚くほど少ないが、ロッククライマーとしてヨセミテで活躍していた頃の貴重な1枚の写真が何故か長野県白馬で発見された。今となってはみんなの人気者、ジェリーマルケスとは思えない、鼻っ柱の強さと可愛げのなさに「これがあのマルケス?」と真贋が騒がれたが、日本人で数少ない若き日のマルケスを知るジェリー鵜飼がいつもの口調で放った「ああ、これマルケスさんの若い頃だよね」の一言で一件落着&マルケス認定。そんな一連の騒動を記念して、写真を発見した白馬を拠点とするQUIET SPORTがTACOMA FUJI RECORDSに別注をかけて作られたTシャツです。
*ウォレン・ハーディングの著書「墜落のしかたおしえます」の付録ページで紹介された独特な人格グレーディングシステム。偉大なクライマーの理想像をゾーン1とし、ダメなクライマーであるほどゾーン10に近い数値を叩き出すシステムで、実在するクライマーを下らない理由でボロクソにこき下ろしたことで有名。
*このストーリーはフィクションです。
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“Downward Bound” designed by Jerry UKAI(dedicated to Mr. Warren Harding and Mr. Royal Robbins) ¥6820
遊び心たっぷりのコラボTは、現在発売中。
(問)クワイエットスポーツ quietsport.thebase.in/