小さくても安全性はまさにボルボ! スモール&スマートな先進の電動コンパクトSUV「EX30」がついに発売!

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Volvo EX30 exterior

2023年6月7日(木)、ボルボの電動コンパクトSUV「EX30」が正式発表された。先だって発売されたボルボの電動SUV最上位モデルに続く「EX」シリーズであり、ボルボでは最もコンパクトなモデルに位置付けられる。EX30とは、はたしてどのようなクルマなのだろうか?

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ボルボのブランニュークラスであるミニマムモデル。

ボルボのラインナップはわかりやすく、モデル名の数字がそのまま車格につながっている。現在のラインナップでいえば先だって発売されたEX90を筆頭に「90」「60」「40」がある。
そこに今回新たに「30」が加わった。それが「EX30」である。数字を鑑みるに、これまでボルボで最もコンパクトだった「40」よりもさらにコンパクトなモデルということになる。

発表会でもそのコンパクトさをアピールする演出がなされていた。

この発表会ではボルボ・カーズ 代表取締役社長兼CEOのジム・ローワン氏をはじめ、EX30の開発スタッフが登壇。デザインや技術、安全性、インフォテインメントなど、EX30の魅力が映像とともに語られた。特にボルボが重視する安全性、そしてこれからの社会が求めるサステナビリティのための環境性能が強くアピールされた。

ボルボ・カーズ 代表取締役社長兼CEOのジム・ローワン氏。

環境のためのコンパクトさ……カーボンフットプリント25%削減。

発表ではコンパクトなモデルであれば製造のための環境負荷を低くすることができると述べられていた。EX30使用する鉄鋼やプラスチックなどの原材料を上位モデルよりも少なくでき、カーボンフットプリント(製造から使用、廃車に至るまでの二酸化炭素排出量)は、C40、XC40から25%削減することに成功している。

さらに、リサイクル率も向上させ、製造に使用するスチールの17%、アルミの25%、プラスチックの17%がリサイクル可能になっており、これはボルボ全ラインナップの中で最も高い数字だ。

また、生産が行われる中国の工場は100%クライメートニュートラル(二酸化炭素だけでなくそのほかの温室効果ガスも出さない)電力で稼働し、工場全体でのも高い環境性能を実現しているという。

ボルボらしい安全性能。

発表会でEX30のボディ構造を紹介する様子。

ボルボは常に安全性を重視してきているのは誰もが知るところだ。ボルボラインナップのボトムラインに位置するEX30だが、安全性能に関してはボルボの上位モデルと遜色ないレベルになっている。
強固なボディで乗員を守るのはいかにもボルボらしいが、エアバッグやシートベルトの性能向上もなされており、高い乗員保護性能を備えている。

ドア・オープニング・アラート

さらに、先進安全機能としてはセンサー類を充実。カメラ、超音波、レーダーを組み合わせることで、周辺の認識力を高めている。特にEX30のメインステージとして位置付けられる都市部における、死角からの自転車や歩行者、駐車場における突然の他車や人の動きを素早く察知することができるようになっている。もちろんそこに自動ブレーキも組み合わされる。
加えて、クルマの後方から接近する自転車を検知し、ドライバーや乗員が不用意にドアを開けて衝突してしまう事故を防止する機能も用意されている。

セーフティ・センター責任者であるオーサ・ハグランド氏がEX30の先進の安全性について解説。

スカンジナビアンデザインのエクステリア&コンパクトなディメンジョン。

エクステリアデザイン責任者であるT・ジョン・メイヤー氏。

EX30のエクステリアデザイン責任者であるT・ジョン・メイヤー氏は、スタイルと機能性を両立したスカンジナビアンデザインをアピールする一方で、フロントマスクはSF作品に登場するヘルメットをモチーフにしていると語る。確かに言われてみると『スターウォーズ』の「ストームトルーパー」か、はたまた『アイアンマン』のようなマスクに見えなくもない。そこに、ボルボのデザインアイデンティティである「トールハンマーシグネイチャー」のヘッドランプを組みわせているのだ。

EX30のフロントマスク。格子状に区切られた「トールハンマーシグネイチャー」がSFテイストを醸し出す。

EX30はボルボで最もコンパクトなモデルとなる。発表されているサイズは全長4233mm×全幅1836mm×全高1549mmというもので、これはXC40(Recharge)の全長4400mm×全幅1875mm×全高1650mmよりもひと回り小さい。それでいて、大径のホイールと2650mmのロングホイールベースで伸びやかなフォルムとSUVらしい力強さを手に入れている。

EX30のエクステリア

スタイリッシュかつ機能的なインテリア。

各種インフォメーションをセンターディスプレイに集約したコックピット。

EX30のインテリアの最大の特徴は、各種情報を大型のセンターディスプレイに集約したシンプルかつスマートなデザインのコックピットだ。さらに電気自動車らしく操作系もシンプルにまとめられており、まるでミニバンのような広々としたフロントシート周りを実現。USBや無線も含む充電スペースなどの小物入れも豊富に用意されている。

センターコンソール周りは豊富な収納スペースと電源を用意。

また、EX30のインテリアデザインのポイントは「中央集中化」にあるとも言う。センターディスプレイはもちろん、ウインドウの操作系もセンターコンソールに配置。ドア周りからスイッチ類をなくすことで、デザイン性とドアポケットの使い勝手を向上させたという。

ドアノブ、オープナーも際てシンプルにデザインされている。

シートやインテリアパネルには複数のカラーが設定されているだけでなく、シート地にはジーンズからリサイクルしたデニム生地をはじめとしたリサイクル生地を使用している。
また、車室内はコンパクトながら、電動パワートレインの恩恵もあり広々とした空間となっている。

EX30の室内空間。

EX30のインテリア
EX30の室内サイズ

ラゲッジルームもボディサイズの割に奥行きと高さがあり、十分な容量を備えている。
発表会の映像ではジム・ローワン氏が自ら荷物を積み込むシーンも。
奥行き、高さ、幅いずれも十分なスペースに感じられる。

Googleを活用した充実のインフォテインメント。

センターディスプレイ

速度やシフトインジケーターをはじめとしたクルマの情報はもちろん、エアコン、地図とナビゲーション、音楽や映像のエンターテインメントといったあらゆる情報はセンターディスプレイに集約される。もちろんスマートフォンと連動するだけでなく、スマートフォンと個人とクルマを結びつけることで、クルマが個人を認識し、ドアオープンからエントリー、ポジション合わせまでパーソナライズすることが可能になっている。

ナビゲーションも含めGoogleを活用することで多機能を実現。
逆に情報をシャットアウトしてドライビングに集中することも。

画面のトップにはクルマの基本情報プラスα。
「Spotify」などのエンタメ機能も利用可能。

スマートフォンとの連動はもちろん、通信は5Gに対応しておりクルマのインフォテインメントはアップデートで最新のものに更新される。もちろん、その際にSDカードなどの物理デバイスを使うことはなく、無線通信で完結する。

カー UX インフォテインメント担当のアンナ・ガスパール・アラサ氏。
SW エンジニアリング責任者のアルウィン・バッケネス氏

さらに、センターディスプレイのテーマを何種類が用意しており室内のイルミネーションと連動することで、車内の雰囲気を好みや気分に合わせて変えることもできようになっている。
エクステリアのフロントマスクデザインもそうだが、インテリアでも真面目さやシンプルさ一辺倒ではなく、遊び心にもあふれたおもてなしが用意されているのだ。

テーマの1つ。
画面に合わせてイルミネーションも変わる。

バッテリーとモーターを選べる仕様。

EX30コマーシャル責任者のフランチェスコ・スペチアーレ氏がその魅力をアピール。

では、気になるスペックはどのようなものだろうか?

まずバッテリーが2種類用意される。1つはリチウム(Li)・鉄(Fe)・リン(P)を材料として利用したリチウムイオンバッテリー「LFP」で、コバルトを使わないため発火の危険性が少ないのがメリット。
もう1つがニッケル(Ni)・マンガン(Mn)・コバルト(Co)を用いたリチウムイオンバッテリー「NMC」だ。
都市部でのコミューター的な使用法であれば前者とシングルモーターを組みわせた仕様が適しており、後者はより容量が大きいのでモーターもシングルの他に前後に1つずつ搭載するツインモーターも用意される。

LFPバッテリー仕様車はシングルモーター。
NMCモーター仕様車はシングルとツインが選べる。

EVの気になるポイントと言えば航続距離と充電時間だが、NMCバッテリー+シングルモーターで最大480km。NMCバッテリーの153kWを急速充電で10%から80%まで充電するのに26分となっている。

NMCバッテリーは153kWの容量。
急速充電で10%から80%までの充電時間は26分。

EVらしい優れた加速性を備えており、ツインモーターの加速力は時速100km/hまで3.6秒しかかからない。
一方で、その重量からブレーキ性能が気になるEVだが、EX30は制動力も優れており、100km/hから完全停止するまでの距離は38mに過ぎない。

NMCバッテリー+ツインモーターの優れた加速力。
加速力だけでなく制動力にも優れる。

このようにバッテリーとモーターの組み合わせを選ぶことができるので、価格競争力を持たせつつユーザーの使い方に合った仕様を選ぶことができるのだ。

ボルボおなじみの「クロスカントリー」もリリース予定。

今回のワールドプレミアでは、シティSUVであるEX30をオフロードテイストに仕立てた「クロスカントリー」も発表されるサプライズがあった。

ワールドプレミアで発表されたEX30クロスカントリー。

通常モデルとの大きな違いは前後ホイールアーチのクラッディングと、パイプ系が太く積載性の高そうなルーフキャリア。さらに、車高も通常モデルより高そうに見える。
今回の発表では映像のみでクロスカントリーに関する詳細は明らかにされなかったが、これまでのボルボがラインナップしてきたクロスカントリーや「XC」シリーズを想起させる。

気になる価格とデリバリーはいつ頃?

発表会では具体的な価格までは明言されなかったが「同クラスの既存モデルに近い価格設定になる」といった言葉があった。EVは兎角価格の高さが購入のハードルの1つになっているのは間違いなく、もしこれまでのEVより安く、ガソリンエンジン車と競合するレベルの価格であればそのハードルを下げることができるだろう。

また、発表会からすでに予約を受け付けているとのこと。生産体制も整いつつあり、最速でのデリバリーは2023年末頃から始まる予定だそうだ。

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GO OUT編集部
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