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【SHOP 3】FILM
今回の終着点は、目黒通りにあるFILM。ヨーロッパのヴィンテージ家具が揃う隠れた名店だ。
家具といえば、デンマークをはじめとした北欧ものが人気だけど、ここはさらにオランダ、ドイツ、ベルギーといったヨーロッパ諸国のものも揃っていて、60年代から90年代に作られた風変わりのデザイン家具に出合える。
1階は陶器や磁気をメインに取り扱い、2階は大型家具がポツポツと置かれている。ちょっとしたギャラリーみたい。
Flower Vase ¥11000
まずは1階で猿渡さんが選んだのは、一見すると和な趣のある花器。ところが、実はドイツで60年代に作られた代物なのだとか。
「パッと見、ドイツっぽくない感じがいいですよね。うちには日本の花器がたくさんありますが、そこに並べてもきっと違和感がない。『だけど実は……』って、友達が来たときにも話題にできそうですよね」
「もしかして、これって広げられる?」と近藤さんが吸い寄せられたのが、写真の丸テーブル。天板の下に拡張用の天板が収納されていて、それを引っ張り出すと……、
Table ¥330000
ご覧の通り、オーバル型に変形する! 普段は丸テーブルで、来客があるときは広げて。そんな2WAY活用ができるところが、限られた部屋面積で、かつ人の出入りが多い近藤邸にピッタリ。となれば、ここに合う椅子も探さねば、とセレクトしたのがコチラの1脚。
CHAIR ¥35000
「このチェアは、ベルギー製らしいです。デンマークやスウェーデンの北欧家具とはひと味違う、木と鉄の組み合わせが新鮮ですよね」
いま、北欧のデザイナーズ家具は高騰の一途。リセールバリューもどんどん値上がりしている。ただ、FILMのスタッフさんいわく、北欧のみならずヨーロッパ全体のヴィンテージ家具が価格上昇中。近藤さんも、「僕も、どうせなら資産になるモノを選ぶほうがいいとは思います。そこも家具選びのポイントのひとつかも」と言う。
Plate ¥18000
最後に猿渡さんが選んだアイテムは、陶器と真鍮の取り合わせがユニークな、「見た目以上にどっしりしている」器。60年代にドイツで作られたものだ。「玄関の小物入れにしたり、ダイニングでお菓子入れにしてもいいかも」とイメージを膨らませる。
新生活のヒントを探しに。気軽に足を運びたい街。
買いたいモノを狙い撃ちで行くことも多いインテリアショップだが、買い物を終えた2人は「別に欲しいものがなくても、インテリアショップを巡るのは楽しい」としみじみ話す。用がなくても、ふらりと入れば新しい発見が待っていたりする。
「信頼できる第三者と一緒に行くことは大事だなと思いました(笑)」と、猿渡さんは今回のツアーを通じて感じたという。「僕にとっては近藤さんなんですけど、確かな目を持っている人と行けば、知識も入ってきやすいし、単純に楽しいですよね。正しく買い物できる気がする」。
続けて近藤さん。「無理して高いモノを買う必要はないけど、やっぱり僕は、なるべくならオリジナルと言われるアイテムを選びたい。オリジナルに似せたモノは手が届きやすいけど、のちのち、オリジナルが欲しくなることがほとんどなので」と、インテリア選びのコツを教えてくれた。
恵比寿と目黒はインテリア巡りの東京名所であり、どんな趣味趣向の人にもフィットする店が軒を連ねている。何を買っていいかわからない、部屋のイメージが湧かないときなども、ヒントを得るために気軽に足を向けたい。
【この日のルートと店舗情報】
・PACIFIC FURNITURE SERVICE:東京都渋谷区恵比寿南1丁目20-4 tel:03-3710-9865 open:12:00〜19:00 pfservice.co.jp
・Point No.39:東京都目黒区下目黒6丁目1-28 tel:03-3716-0640 open:12:00〜20:00 clownandsons.co.jp
・FILM:東京都目黒区中町1丁目6−14 宝恵マンション 1F /2F tel:03-5734-1011 open:12:00〜19:00 film-interior.com
Text/Keisuke Kimura、Photo/Sousuke Shimizu