いまさら聞けない、GORE-TEXがイイとされるワケ【米ゴア社で編集部が見た】

作成
Table Of Contents : 目次

いよいよラボへ。

前半では、ゴア社のプロダクトやヒストリーについて軽く触れたが、ここからが本番。ゴアテックス製品の開発に欠かせない、テストラボへと足を踏み入れた。

ここでは、防水テスト、耐摩耗テスト、洗濯テストなど、製品カテゴリーに応じて驚くほど多くの品質基準テストが行われている。それらすべてをクリアしたプロダクトだけがボクらの手元に届くというわけだ。

レインテストでは、1時間に150mm相当の雨量を体験。着用ウエアが左右で色が違うのは耐久撥水(DWR)加工済と未加工の生地を貼り合わせているため。どちらもゴアテックス ファブリクスなのでもちろん内部まで浸透することはないが、未加工は肌に張り付くような濡れた感覚に。撥水性の違いによって快適性や体感温度が大きく変わることがわかった。
フットウエアの防水テスト。ゴアテックス ファブリクスで足を包み込むように組み込むシューズは、空気で膨らませて穴空きをチェックする。
ちなみに、左がブーツなどに今でも用いられている従来の仕様(上記のような袋型)。右が、アッパーとメンブレンが一体化しているゴアテックス インビジブルフィット。しわや折り目がなくなりフィット感が向上。一般的なランニングシューズと同様の履き心地ながら防水透湿性も備える。
ラボの一角には無数の洗濯機が。洗濯と乾燥を繰り返し、レイヤーやラミネートの剥がれがないか、または撥水性が保たれているかをチェックする場所だという。

あらゆる方法で生地の耐摩耗テストが行われていた。これらのテストを開発する研究室では、テストを経た生地の表面を顕微鏡でチェックしている場面も。
気温や湿度、風速などを変更して、世界中の気候を再現できる環境ルーム。中央のマネキンにセンサーを仕込み、体感温度などを計測する。ちなみに気温は−50℃から+50℃調整できるそう。

ゴアテックス=高品質は間違いじゃない。

このアメリカ・ゴア社ツアーを通じて分かったことは3つ。

ひとつは、ゴアテックスというブランドが、無二のオリジナルであること。

ePTFEの加工技術を応用して、アウトドア分野のみならず、医療や航空分野まで進出して社会的価値をもたらしていることも、ブランディングに大きく寄与していると考えられる。

2つめは、真似できない品質管理を徹底しながら、パートナー企業と切磋琢磨して製品開発を行っていること。

ゴアテックス ファブリクスはどんな企業でも扱える素材ではない。メーカー側にもその品質を最大限に発揮させる努力が必要で、結果的にその努力が出来る企業のブランド価値をも引き上げていると思われる。

そして3つめ。冒頭でも触れた、ブランド名からの何となくの信頼感とか、ゴアだから高い値段を払ってもいい、という感覚はあながち間違いではなかったということ。

なぜ高品質なのか、なぜ支持され続けているのか、これまで何となく抱えていたモヤモヤが晴れるツアーとなった。

< 12
Tags
GO OUT編集部
作成