知っておくと差がつく、おしゃれで機能的なタープの張り方。(2019.10.7 更新)

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雨や風をしのぎつつ、プライベートな空間創りにも役立つキャンプの必需品「タープ」。六角形や長方形、五角形など種類や大きさも様々ですが、おしゃれなテントサイトを拝見するとタープの張り方も色々あるよう。

それぞれの張り方には一体どういう意味があるのか、またどうやって張るのか「今さら聞けない、イケてるタープの使い方」をGO OUT CAMPに集まったおしゃれキャンプサイトから探りました。

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テント連結でコンパクトに、かつ眺望のきくオープンスタイル。

使用タープ:ノルディスク/カーリ12
OWNER:金房 雅弥さん、雄之介くん

ノルディスクの会員限定カラーであるオリーブのテント&タープを軸に、ミリタリーを彷彿させる無骨なアイテムを揃え、男前なキャンプスタイルを実践していた金房さん親子は、タープをテントと連結したコンパクト空間に。

240cmの長身ポールでサイト前面を開くことで、見晴らしも開放感も抜群なリビングを構築していました。

「普段から天候やロケーション、時間によってタープの張り方を色々とアレンジしていますが、今回はふもとっぱらということで、富士山がよく見えるようにこのスタイルでいきました!」

ベルテント特有の入り口のA型フレームを利用してタープを連結。フレーム先端には余裕がないため、ハトメが抜けてしまうのを防ぐためにポールエンドストッパーで固定しています。

「テントと連結することでタープもA型に傾斜ができるので、仮に雨が降っても低く落とした両サイドへと流れて連結部に水が溜まることもなく、雨対策にもなっています」と、眺望だけじゃなく、機能性も十分だそう。

また、ポールの間にはデイジーチェーンを張るなど、コンパクトな空間を有効活用する小技も見習いたいところです。

 

人気の垂直張りも、ひと手間加えて雨対策。

使用タープ:エバニュー/1TC
OWNER:近藤義也さん、ゆずさん

こちらの夫婦は、富士山の拝めるふもとっぱらでは人気なタープ片側を落とした垂直型に、ひと工夫加えた上級者感あふれるリビングを構築。

「天気予報が雨だったので、水の通り道を作ってあげました」と、近藤さん。

天井部にあまり角度がつかないため、雨が降った時に水が溜まってしまいがちなのが難点な垂直張りですが、中央のハトメから直接ガイラインを引くことで雨水を逃がす道を確保。

水が溜まらないだけでなく、ある程度はガイラインを伝って流れてくれるため、大雨でない限りは水が跳ねることもないそう。

ポールの高さは全て同じ240cmだが、フロントの2本は角度をつけて建てることで天井部に緩やかながら角度をつけているのもポイント。さらに、後面も垂直に落とすのではなく、少し後ろに張り出すことで、より空間を広く展開していました。

 

あえての低身長ポールで魅せる、ロースタイルリビング。

使用タープ:ノルディスク/カーリ12
OWNER:りなさん、なつほさん

コットン幕 × ウッドファニチャーの統一感あるナチュラルスタイルで女子キャンプを堪能していたこちらのテントサイトは、まるでお手本のように美しくタープを設営していました。

「いつもは垂直に張ることが多いんですが、今回は風通しを良くしたかったので、このスタイルで張りました」とのこと。

注目したいのは、4本建てられたポールは全て180cmと低めなこと。サブポールとして使用されるような背の低いポールをあえて使用することで、風や雨に強いリビングに。

「自分たちの身長的にもあまり背の高いポールは扱いにくいということもありますし、何より天井が低いほうがなんとなく落ち着くので、あえて低いポールにしてます笑」。

高さがない分、四隅を落としたこのスタイルにすることで開放感はしっかり確保している点もポイントです。

また、見事なまでにキレイに張られたタープについて、張り方のコツを聞くと「四隅がちゃんと対角線状に伸びるようにペグダウンしたら、タープをぐるぐる回って自在金具でガイラインのテンションが均一になるよう細かく調整しています」と話していました。

 

長身ポールで、開放感バツグン!

使用タープ:ノルディスク/カーリ12
OWNER:@watanemo_.campさん

コットン幕とウッドファニチャーでナチュラルな雰囲気にまとめたこちらのテントサイトは、4本のポールを使いタープの片側を落として張った垂直型。

前側のウッドポール2本が240cm、後方のポール2本が250cmといずれもかなりの長身のものを使用することで、天井の高い開放感バツグンのリビングを作り上げていました。

「タープを垂直に張ることで、プライベート空間の確保とキッチンの目隠しができるっていうこともあるんですが、高さを出すとやっぱり開放感があって気持ちいいのと、テントサイトのアクセントにもなってくれます」と、@watanemo_.campさん。

張り方としては、片隅2箇所とタープ真ん中の両サイドのハトメにポールを挿し、ガイラインで固定。落とす方のもう片側はハトメから直接ガイラインを引いてペグダウンすれば完成。

このとき、雨が流れやすいよう完全な垂直ではなく、やや角度をつけると良いそう。@watanemo_.campさんはポールの高さに前後で差をつけることで、天井部にも傾斜をつけていた。

 

テントインスタイルでも圧迫感のない、フルオープン。

使用タープ:タトンカ
OWNER:西山さん、佐竹さん

イエローのテント&タープで明るく統一感のあるこちらのキャンプサイトは、6つのポールでタープを水平に近い形で張った、フルオープンスタイル。テント2張りをタープの中に入れても圧迫感のないリビングスペースを確保していました。

テントへの浸水を気にして、雨除けとしてテントインスタイルにしたそうですが、風の影響もそんなに受けずに安定感も高いよう。

「水平に近いのでやっぱり雨が降れば水は溜まりやすいですが、その時はテント側をもう少し下げてやればOKです!」とのことで、テント側のポールは無段階で簡単に調整可能なものを使用していました。

6本あるポールの内、前側4本はV字型に立てることで全体にテンションを掛け、それぞれ各2本のガイラインで引っ張ることでバツグンの安定感とキレイな見栄えも実現していました。

 

密集するテントサイトで、プライバシー空間を確保。

使用タープ:タトンカ
OWNER:@eboshitさん

2ファミリーでお越しの@eboshitさんグループは、2つのテントの間に共有のリビングスペースとしてタトンカのタープをセット。

タープの片側を緩やかに落とした垂直型のスタイルで、開放感はキープしつつ、プライベート空間もしっかりと確保していました。

「本当は富士山が見えるようにもっと開放したかったんですが、少し風があるので風防として、また、周囲が混み合ってきたので目隠しとして、2つの目的でこのように張りました」。

前方と後方のポールの高さに差をつけているほか、壁になる片側も40°ほど角度をつけることで、雨水や風が流れやすいセッティングに。

4本のポールにさほど高さがないため、片側はガイラインなしでストラップから直接ペグダウンすることができ、足元まで完全に「壁」としての役割を果たしていました。

 

サイズ違いのタープをハトメで繋いだ連結型。

使用タープ:タトンカ、ビジョンピークス
OWNER:こーたさん、とっきーさん、いっちゃんさん、みすずさん

4人グループで参加のこちらのテントサイトは、2枚のタープを連結した大空間のグラマラスなスタイルを実現。小さめのタトンカのタープはリビングとして、ビジョンピークスの大型タープはICIスポーツのロッジ型テントにかぶせての雨対策として使用。

「もともとタトンカの方は予備として持ってきていたんですが、雨や雪が降ってきたので連結してみたら、たまたまハトメの幅がフィットしました!」とのこと。

ビジョンピークスを支えるガイラインがリビングスペースを通っているのはタトンカを後から付け足したからだそう。

幅がシンデレラフィットしたハトメの接続部分は、手持ちのS字フックで固定するという応用テクニックも注目。ガイラインがリビングスペースを通っているのは不本意だそうですが「備えあれば憂い無し」といわんばかりに、臨機応変な対応には脱帽です。

 

サイドオーニングを駆使した、上級テクニック。

使用タープ:サイドオーニング、トラック幌(オーダーメイド)
OWNER:@et.quart_15さん

ルーフトップテントが特徴的な、クルマを主体にしたミリタリーなキャンプスタイルを見せる@et.quart_15さんは、サイドオーニングを利用した上級者的なタープの張り方を披露。

クルマのキャリアに設置したサイドオーニングを広げ、その上に被せる形でミリタリーギアと相性抜群なトラックの幌を展開。2m×5mにオーダーメイドしたというトラック幌は、オーニングの長さにジャストフィットなサイズ感に。

「オーニングに被せてるだけなので設営はそんなに大変じゃないし、寒いときはトラック幌のサイドを下ろしたりアレンジが効くので気に入ってます」。

幌にはもともとハトメがついているため、ポールの接続だって問題なし。@et.quart_15さんはカラビナでガイラインを繋ぐことで、スムーズな取り外しとアレンジしやすい仕様に仕上げていました。

 

タープアレンジを覚えて、より快適におしゃれにキャンプを楽しもう!

キャンプ場や混み具合によってもテントサイトのスペースが限られることが多いなか、いかに居住スペースを確保するかがキャンプの快適さを左右する大事なポイント。ますますアウトドアが活発になるこれからの季節に備えて、おしゃれかつ機能的なタープの張り方を覚えてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、今回取材した中で多く見られたのはタトンカのタープ。形状がシンプルなうえポールが差し込むことが出来るハトメが多いためアレンジしやすいんだとか!

  • ※強風時のタープ設営は、飛ばされる恐れもあり大変危険なため十分な注意が必要です。ペグダウンをしっかりしてテンションを強く保つよう心がけましょう。

Photo/Takuma Utoo

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GO OUT編集部
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