新シーズンを迎える前にやっておきたいのが、季節を一緒に乗り越えてくれたウエアやギアたちのメンテナンス。自宅での適切なケアによって、愛用品が長持ちするのはもちろん、自分だけの経年変化=アジもしっかり楽しむことができます。
併せて読みたい:「いまこそやっておきたい、アウトドアアイテムのセルフメンテ!【ブーツ編】」
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じつは超カンタン⁉︎ ウエアの補修はリペアテープで一発解決!
さて、今回はウエアの補修について。いくら耐久性に優れた最新のウエアやテントであっても、フィールドで使っていれば、傷ついたり壊れてしまったりするもの。
とくにナイロンなど化繊のウエアは、焚き火で爆ぜた火の粉で一瞬にして穴が空いてしまうことも。でも、ご心配なく。ナイロンウエアやテントの穴や亀裂のリペアは、じつは自宅で超カンタンにできちゃうんです!
使うのは、一般に「リペアテープ」とよばれる補修用テープ。アウトドアメーカー各社からも販売されているから、ショップで見たことあるという人も多いのでは? 今回は、じっさいにリペアテープを使い、3つのステップでウエアに空いた穴を補修します。
必要な道具は3つ。たったの3ステップで補修できる。
リペアテープを使った補修に必要な道具は、以下のとおり。
・リペアテープ
・ハサミまたはカッター
・アルコール除菌シート(バーナーのアルコール燃料を代用しても◎)
たったこれだけ。リペアテープ以外は、基本的に家にあるもので事足りてしまう。テープは、安いものだと300円程度、高くても1000円強とバリエーションがあります。防水性は落ちるけど、ナイロン素材なのである程度の撥水性は期待できる。
ちなみに、高ければ良いというわけではないようです。そのことは追って紹介します。
ステップ① 補修したい箇所を綺麗にする。
まずはアルコール除菌シートを使って、補修したい穴や亀裂の周辺を拭き取ります。
一見汚れていないようでも、フィールドで酷使したウエアには、焚き火の煙や土ボコリが付着しているもの。補修する箇所が汚れているとリペアテープの張り付きが悪くなり、剥がれやすくなってしまう。しっかりと拭き取りましょう!
ダウンジャケットなどの場合は、穴から羽毛が飛び出ていることも。抜いてしまうと次から次に出てきてしまうため、羽毛は爪楊枝を使って中に押し込むのが正解です。
亀裂の場合は、リペアテープを貼る前に、裏から接着剤(瞬間接着剤は失敗しやすいので、多用途系がおすすめ)を塗っておくと良いでしょう。リペアテープを貼りやすくなり、強度も増します。
ステップ② リペアテープを必要なサイズの円形にカット。
リペアテープは、穴や亀裂の大きさよりも一回り大きくカットします。一番のポイントは、角を落として円形にすること。そのひと手間で、剥がれにくくなります。
テープの種類によっては、繊維がささくれてしまったり、粘ついたりで曲線にカットしにくいことも。そうした場合でも、極力細かく角を落とすようにしましょう。ここを丁寧にするだけで、リペアの持ちが違ってきます。
ステップ③ リペアテープを貼る。
テーブルなど平らな場所で、テープを貼ります。ウエアやテープにシワが入ってしまうのも、やはり剥がれやすさの原因になってしまいます。最初にテープの中央を貼り付けたあと、ウエアのシワを伸ばすようにしながら周辺を貼り付けていくのがおすすめ。
たったの3ステップで、リペアが完了! 慣れてくると一箇所数分で補修できてしまうので、この冬にお世話になったウエアやテントを含め、穴や亀裂のせいで使わなくなっていたアイテムを引っ張りだして、まとめて補修してみては?
高ければいいわけじゃない! どのリペアテープがいいの?
今回編集部がじっさいに試してみたのは、以下6メーカーのリペアテープ。もちろんリペアテープはほかにもいくつかありますが、ひとまず特徴の異なりそうなものをポチった次第。どれもネットで注文できて、数日で届きます!
じっさいに使ってみると、カラバリやデザインなどのわかりやすい違いだけでなく、テープの厚さや粘着力などの小さな差異が仕上がりに影響することに気づきました。
カラーを選べて耐久性も◎な「コフラン」。
まずはCOGHLANS(コフラン)のテープ。4色のカラバリから選べるうえ、テープの生地はリップストップになっていて耐久性の高さを物語ります。
カラーは補修するウエアやテントに合わせることもできるし、あえて違う色を選んでデザインのアクセントにするのもアリ!
リペアにカスタム要素をプラス! 粘着力も高い「パタゴニア」。
Patagonia(パタゴニア)のテープは、ひときわユニーク。シートが4枚入っていて、ほかと同じようにハサミで切って使えるもの以外に、あらかじめさまざまなサイズに使いやすくカットされているシートも用意されています。
うち2枚は動物やギアの形にカットされていて、ならではのデザインも楽しい!
シート自体は、アウトドアウエアやギアの修理・メンテナンス用品専門ブランドGEAR AID(ギア エイド)のもの。粘着力の高さをはじめとした補修力は折り紙つきというわけ。じっさい、洗濯を50回繰り返しても剥がれないほどの粘着力なんだとか。
さて、せっかくなので動物デザインのものを貼ってみました。まるで最初からこういうデザインだったかのように、自然に馴染んでくれます。あくまで補修用ですが、カスタムとして貼ってもいいくらい!
ただ、デザインによってはディテールが細かいものもあり、多少貼りにくかった。粘着力はかなり高いようだけど、使ううちに剥がれてしまわないか心配……。
ダントツの粘着力で、ストレッチ素材にも使える「モンベル」。
mont-bell(モンベル)のテープは、今回使ったなかではダントツの粘着力! おまけに厚みもあって耐久性も高そう。また、テープが伸びるので、ストレッチ生地のリペアにはこれ一択でまず間違いないでしょう。ウエアのカラー問わずに使える半透明テープというのも嬉しいポイント。
ただ、粘着力の高さゆえ、作業中にハサミや指に再三くっついてしまい大苦戦。ベタベタ触ってしまったからか、テカりが際立ち「貼ってる」感が出てしまいました……。とはいえ、何度か試して慣れてしまえば、このあたりの問題は解消されそう!
シンプルで高バランスな「ロゴス」、「キャプテンスタッグ」、「河口」。
LOGOS(ロゴス)は、自社のテントの配色に合わせて作られています。厚めのテープなので、バックパックや雨具など補修にも使えそう。CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)は、今回使ったベージュのほか、ピンクやシルバーといったほかに見ないカラバリが魅力。KAWAGUCHI(河口)はテープの厚さや粘着力、カラバリ、使いやすさなどバランスがよく、低価格ながらほかのテープと比べても遜色ありませんでした。
超カンタンなセルフリペアで、ジブン色もマシマシに!
今回、リペアテープを使ってじっさいに補修をしてみると、愛用していたウエアたちが一段と「ジブンのモノ」になった気がしました。そう、セルフリペアとは、「カスタム」でもあるようです。
もちろん新品のウエアを着るのもいいけれど、多少穴が空いても捨てずにリペアすることで愛着はマシマシに。新品に甲乙つけがたい無二の存在にランクアップしていくことでしょう!