W杯優勝者も輩出する日本スラックライン シーンの今〜上田寛之(EXALER Slackline Professionals) GO OUT CAMPインタビュー〜

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こちらの映像は2019年に開催されたGO OUT JAMBOREEでのスラックラインのプロ、細江 樹選手のライディングを収録したもの。まるでサーカスのように木と木の間に張られたロープをトリッキーに乗りこなす様は見ているだけでも浮遊感があり気持ちよくなってくる。 元々クライマーが山から降りた時の訓練として始まり、その後スポーツとして進化を続けているスラックライン。GO OUT CAMPではまだ世の中的にそれほど認知がされていない初期の頃からアクティビティとして展開している。その最初期より支えてくれているのがEXALER Slackline Professionalsの上田さん。自身もパフォーマンスをしつつ、多くのプロをマネジメントし、また様々なイベントやメディアでの展開を通してスラックラインの普及に心血を注いでいる伝道者だ。もちろん9月27日(金)ー29日(日)のGO OUT CAMP vol.15にも参加は決定している。

 

  • 上田 寛之
  • エクスエイラー代表。元々はカメラマンで、スラックラインを人に伝える中で何かを人に伝える行為が写真を撮る事と本質が同じだと気付き、また写真よりもレスポンスがもっと身近で相手の感情を感じ取れることが新鮮な経験となり2012101EXALERを設立。www.exaler.com/

 

Table Of Contents : 目次

スラックラインでは初心者だろうが、どんなパフォーマンスをするプロだろうが、一番大切なのはRelax。

−もともと、どういう流れでスラックラインに関わるようになったのでしょうか?

趣味でキャンプをしながらのアウトドアクッキングを楽しんできましたが、食っちゃ寝ばかりだったので何かキャンプの時にできるアクティビティーを探していました。当時はウエブなどでボルダリングの記事をよく見かける様になってきた頃で、自分は流行ってる事には興味が無いのですが()、あれやこれやと探している中で2015年に亡くなったディーン ポッターというコアなクライマーが岩頭の上まで登って、さらにそこで命綱無しでスラックラインをしている映像を見つけました。それには衝撃を受けましたね。それからスラックラインの事について調べてみると、誰も日本人でやってる人がいないので自分で流行らせることを決意したという感じでスタートしました。

 

−EXALERの意味は?

マイナーであるスラックラインは誰もが初めて経験(Experience)することで、簡単に興奮(Excitement)出来る新しいスポーツなんです。その中で上級者になればラインの上でバク宙したり長い距離を歩いたり、高い場所で演技したりと超人的なパフォーマンスを見せてくれます。ただそういった上級者でも初心者でも共通して言えるのは”Relax”が一番大事だということ。ライディングの際にはライン上の浮遊感から興奮状態になります。ただ、それと同時に落ち着きも必要とされるのです。そこで”RELAX”の文字を裏返して、頭に”EX”を重ねた言葉、EXALERという造語を作り名前としました。

 

アメリカ発、ヨーロッパ経由で日本に到着し、世界へ向けて発信を続ける。

−そもそもスラックラインの歴史ってどういうものなのでしょうか?

1980年代には「スラックライン」と言う言葉が誕生しているのですが、元々はヨセミテ公園(アメリカ)に集まるクライマー達が木々の間に登山用具のザイルやスリングを結び付けて、その上を歩く遊びがルーツとなっています。それらを見たヨーロッパのクライマーが故郷でも楽しむ様になり、2007年以降は様々なスラックラインブランドがヨーロッパに誕生しました。その後、日本にも専用器具が流通する様になり同時に母国アメリカでもヨーロッパからの逆輸入的にスラックラインが浸透するようになっていったという感じです。

 

−スラックラインの競技内容にはどんなものがありますか? 

スラックラインの種目には大きく分けてトリックライン、ロングライン、ハイラインの3つがあります。日本でテレビやSNSで一番見かけるのはトリックラインと呼ばれるアクロバティックなジャンルで、これらはライン上から落ちずに制限時間内に大技を出すことでポイントを競うスラックラインの中でも花形競技になります。ロングラインというのは最もシンプルな競技ジャンルで、スタートからゴールまでを早く渡り切ることでタイムを競います。昔ながらの綱渡りと違って自身の体だけを使ってバランスを取り続けなければなりません。ハイラインはその名の通り、より高い場所でより長い距離を渡る競技になります。トリックラインやロングラインの競技要素をミックスする場合もあります。

 

−世界でのスラックラインの盛り上がりってどんな感じでしょうか?

フィットネスやリハビリとして利用したり、スポーツとして楽しんだりと用途は様々ですが世界では約80カ国、300万人以上の愛好者がいると言われています。販売数が最も多いのはアメリカで、エンターテイメントの世界でショーを披露するプロライダーが多く在籍するのも特徴です。過去にはXゲームが開催されたりと最も盛り上がりを見せている国の1つです。ユタ州モアブでは渓谷に設置するハイラインを楽しむために世界中のハイライン好きが集うスポットになったりもしています。

 

ワールドカップ優勝者もいる日本のシーンは成熟に向かっている。

−日本人選手で世界で活躍している方はいますか? 

多くの国と大会で表彰台に上がっているのは愛知県の細江 樹選手。2017年にはワールドカップを18歳で優勝し、高校卒業以降プロライダーとして世界中でパフォーマンスを披露し続けています。

 

−日本でのスラックラインのシーンはどのような感じなのでしょうか?

日本はトリックラインのジャンルで頻繁に大会が開催されています。初心者でも参加できる小さな大会から、世界大会も行われる程、世界で最も大会の数が多い国です。我々、エクスエイラーも大会運営から、協賛まで行っています。東京や名古屋での国際大会開催や、ワールドカップのコーディネートも担当しています。「私の街に大会を!」とお考えの方はぜひご連絡いただきたいですね。

 

−今後、スラックラインはどんな発展をしていきそうでしょうか?

少しずつですが、専用のパークや屋内型ジムが増えてきたので大会に出場している選手達がセカンドキャリアとしてコーチや管理者などスラックラインを職業にすることも増えてくると思います。プロと言われつつもほとんどの選手が学生なので、そういった世代がレッスンプロやサーカスなどのエンターテイメントの世界で活躍する時代は日本でも近いかと感じています。

 

初心者でも成功体験を味わえる!! GO OUT CAMPでは一日券で体に染みつけたい。

−GO OUT CAMPのスラックラインにはどんな選手が来ていますか?

先ほどお話ししました細江 樹選手をはじめ、大会やパフォーマンスショーなどで活躍するライダーが多く参加しています。エクスエイラーにはテレビなどで見かける選手も多く所属しているので、みなさんがどこかで見たことがある選手もいるかもしれませんね。タイミングが合えばイベント中に凄い技が見れるかもしれませんのでぜひチェックして欲しいですし、スタッフにも気軽に声を掛けて欲しいですね。

 

細江 樹選手からのコメント:「富士山をバックにスラックラインが出来ることは本当嬉しいし楽しい! GO OUT CAMPのような大きなアウトドアイベントでスラックラインのパフォーマンスが出来るのはとてもテンションがあがります。スラックラインはまだ知名度の低いスポーツだと思うので、沢山の人の目にとまって覚えてもらえたら嬉しいです。一般体験も出来るので是非GO OUT CAMPに来た時は体験していって下さい!」

 

−GO OUT CAMPではどんな内容が体験できますか?

初心者向けに体験コーナーを設けています。スラックラインを芝生の上に低く張っているので、初めての方でも簡単で安全に楽しめるようになっています。また集まってくれる子供たちの中にはあこがれの選手からサインをもらったり、記念撮影をしたりして笑顔を見られることも多いです。

 

今後GO OUT CAMPでやってみたいことはありますか?

毎回参加してくれるお客さんもいるので、商品ありの簡単なミニコンペ(端から端まで渡り切る等)はやっていきたいですね。会場であるふもとっぱらに逆さ富士がきれいに映る池があるのですが、その上でハイラインパフォーマンスとかはどうでしょうか笑。

 

スラックラインはGO OUT CAMPで体験するだけでも出来るようになるものでしょうか?

独学で行うととても難しいですが、基本のスタンスをレクチャーしているので、それを覚えてもらえれば、あとは挑戦出来るお題もたくさん用意しています。間違いなく誰でも成功体験が出来る様にエスコート致します!! また時間制限を設けず一日体験パスを発行していますので、GO OUT CAMPでは午前中から参加した方がお得ですし、上手くなれます。もちろん再入場も出来るので、一日中スラックラインコーナーにいる必要もないですし、他のコンテンツを楽しみながらスラックラインも楽しんでもらえます。

 

そのほか、何かあればお願いします。

スラックラインの事なら何でもお仕事承ります! ご要望はエクスエイラーまで。

 

GO OUT CAMP vl.15オフィシャルサイトはこちら

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GO OUT編集部
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