海に、山に、思い思いの夏を謳歌しているみなさん。仲間や家族とキャンプにも行ったし、目当てのフェスもひと段落して、あとは秋を待つばかり、というひとも多いのではないでしょうか。
そんな少し寂しい気持ちにさせるひとときに、アウトドア&インドアで楽しめる音楽があれば、最後まで夏を堪能し尽くせるのでは。そこで、仕事にプライベートに音楽三昧なミュージックラヴァーたちに、おすすめのチルアウトミュージックを聞きました。
Table Of Contents : 目次
- 心の底に降りていくような曲から、パワフルな名曲まで。
- 1. 『夏の終わりと言うべきか、秋の始まりと言うべきか』Calm
- 2. 『Mystic Motion』 Kaoru Inoue
- 3. 『(You Make Me Feel Like) A Natural Woman』 ARETHA FRANKLIN
- 季節の終わる寂しさが、ストレートに心に響く。
- 4. 『Folklore』クラムボン
- 5. 『Passionfruit』 Drake
- 6. 『Lights』 JOURNEY
- 確かなテクニックに支えられた、安定の聴き心地。
- 7. 『talkin' to you』mabanua
- 8. 『Air Tap!』 Erik Mongrain
- 9. 『Stay Alive』 Jose Gonzalez
- アルバム通して聴かずにはいられない、名盤。
- 10. 『It May Sound Silly』(アルバム) Gladstone Anderson
- 11. 『FLEET FOXES』(アルバム) FLEET FOXES
- 12. 『I skovens dybe stille ro』 Kenny Drew & Niels-Henning Ørsted Pedersen
- 都市生活に疲れた体を癒してくれる。
- 13. 『Intro (Ravel)』 Carl Craig & Moritz von Oswald
- 14. 『Nakanaka』 Meiso
- 15. 『いい時間』 EVISBEATS
- 夏が終わるからこそ、チルでグッドな音楽を。
心の底に降りていくような曲から、パワフルな名曲まで。
by DJ 河合桂馬さん
GO OUT CAMPでもおなじみ、四つ打ちのダンスミュージックをプレイすることの多い河合さんですが、気分や状況に合わせてジャンルを使い分けます。異国情緒溢れるインストや、往年の名曲ソウルまで幅広く選んでくれました。
1. 『夏の終わりと言うべきか、秋の始まりと言うべきか』Calm
「こんなにも、この特集にふさわしい曲名、ほかには無いんじゃないでしょうか?(笑)もちろん、曲も気持ちいいです」
2. 『Mystic Motion』 Kaoru Inoue
「目をつぶって音に意識を集中すると、深い瞑想状態にいざなってくれるような、オリエンタルなムードに溢れる1曲です。」
3. 『(You Make Me Feel Like) A Natural Woman』 ARETHA FRANKLIN
「残念ながら、偉大なアーティストがまたこの世を去ってしまいました。やはり名曲はいつどこで聴いても素晴らしいものです。R.I.P」
河合桂馬さん/DJ
大手商社を脱サラし、車中泊仕様にカスタムしたバンで日本全国を巡り、フリーランスのDJ/MCとして野外フェス(GO OUT CAMPでもおなじみ!)やクラブイベントに出演。1年の約半分をバンで生活するVanLifeを実践し、そのライフスタイルが注目を浴び、CMなどさまざまなメディアに取りあげられる。
季節の終わる寂しさが、ストレートに心に響く。
by バリスタ、サイクリスト 南秀治さん
コーヒーと自転車をルーツに持つ南さん。おすすめしてくれたのは、ジャンルは違えど、どこか懐かしくも物悲しい、夏の終わりのこの時期にぴったりの正統派な選曲です。夕暮れどきにコーヒーを片手に酔いしれたい。
4. 『Folklore』クラムボン
www.youtube.com/watch?v=VDXIY8i8O_Q
「オープニングの歌詞もピアノの入り方も、夏の終わりの独特の切なさを思い出させてくれる。とはいえ、ただセンチメンタルなだけじゃなく、耳に心地よい1曲です」
5. 『Passionfruit』 Drake
「トラックとDrakeのラップのマッチングが最高。これがハウスっぽくなっちゃうと聞き飽きちゃうけど、まさに夏の終わりのチルアウト感が心地よい、何度でも聴ける1曲です」
6. 『Lights』 JOURNEY
「ボクら世代の自転車乗りなら誰もが知ってる映像集『MASH』。そのエンディングにも使われていた曲で、自転車にまつわるいろんな景色を思い出します。スローなアメリカンロックの、どこか懐かしい空気感もいい」
南秀治さん(BAMBI)/バリスタ、サイクリスト
メッセンジャーとして東京の街を走った7年間の経歴を活かし、バリスタに転身後も、サイクルカルチャーとコーヒーの融合を模索する日々。自転車に乗るときにはポータブルスピーカーで、もちろん勤め先のコーヒーショップや家でも、常に音楽に触れている。
確かなテクニックに支えられた、安定の聴き心地。
by Allfor1, Inc. 代表 木原彰夫さん
自身の手がけるイベントや運営する店舗で、日常的に音楽に触れる機会も多いという木原さん。心地よいサウンドのなかに、突出した技術や技巧が覗く、聴き込み甲斐のある曲を選んでくれました。
7. 『talkin’ to you』mabanua
「ゆるりとしたグルーヴに重なる力の抜けた歌声が心地いい。地元で撮影したというPVにアーティストの人柄が表れています。SUGARGLIDER立ち上げの際、イメージモデルを務めてもらったのも良い思い出」
8. 『Air Tap!』 Erik Mongrain
「まず、パッと聴いてギター1本のサウンドとは思えない超絶テクニックは、特に正確に刻むタイム感に表れています。旋律や和音もクラシカルで、美しい。景色の良いところで聴いていると、その世界に吸い込まれてしまいます」
9. 『Stay Alive』 Jose Gonzalez
「どこか寂し気な旋律が哀愁を感じさせるホセゴンザレスの中で、これを焚き火と星空の下で聴いていると、来週も頑張ろうという前向きな気持ちになれる1曲。映画『LIFE』のメインテーマとして使われたことでも知られています」
木原彰夫さん/Allfor1, Inc. 代表
ユニークなポケットを採用したウォーターショーツをはじめ、富山県高岡市の伝統工芸とアウトドアをミックスしたアイテムを展開するブランドartisan933を手がける。そのほかイベントの制作運営や直営店TSUGIKIの運営など、幅広い分野で活動中。
アルバム通して聴かずにはいられない、名盤。
by TACOMA FUJI RECORDS主宰 渡辺友郎さん
「どうしても3曲に絞れなかった……」というのは、広くオールジャンルの音楽に精通するがゆえ。そんな渡辺さんは、ジャズやレゲエなど、シーンに溶け込むリラクシングな曲を選んでくれました。
10. 『It May Sound Silly』(アルバム) Gladstone Anderson
「73年リリースの、ハリー・ムーディ率いるMOO DISCを代表するジャマイカンイージーリスニングの大名盤です。私的『無人島に持ってく1枚』でもあり、チルアウトミュージックとしてもベスト。1曲には絞れませんでした……」
11. 『FLEET FOXES』(アルバム) FLEET FOXES
「これも1曲じゃなく、アルバムです……(笑)。2008年に世界中の音楽メディア年間チャートを独占した1枚というだけあり、全編通してサウンドスケープの壮大さは、朝昼夜いつ聴いても圧倒的。ひとりでドライブしながら聴きたい」
12. 『I skovens dybe stille ro』 Kenny Drew & Niels-Henning Ørsted Pedersen
「酔い心地に合う、名演奏です。これを聴くといつも、なぜか大事なひとや古い友人のことを思い出します」
渡辺友郎さん/TACOMA FUJI RECORDS主宰
国内外の芸術家やアートディレクター、写真家の手がけるTシャツをリリースする架空のレコードレーベルTACOMA FUJI RECORDSを主宰。44歳となった現在、餃子・ビール・犬、焼き鳥・レモンサワー・犬、なローテーションを繰り返す日々。
都市生活に疲れた体を癒してくれる。
by フリスビージャマー 荒内健治さん(アラケン)
フリスビー片手にあらゆる場所を自由自在に遊び尽くす荒内さんが、円盤の次に大事だという音楽。選んでくれたどの曲も、日々の雑事で疲れ果てた体を優しくリセットしてくれます。
13. 『Intro (Ravel)』 Carl Craig & Moritz von Oswald
「クラシックの名門レーベルDeutsche Grammophonの名録音を再編した作品。1日の温度を徐々に上げはじめるための低温着火剤として、チルな朝の目覚めに聴きたい」
14. 『Nakanaka』 Meiso
「日本とハワイを拠点に活動するMCの曲です。三上寛の『なかなか』のようにこってりとした、フリスビーで遊びすぎて汗もべったりな1日の終わりに、夕暮れを眺めながら聴きたい」
15. 『いい時間』 EVISBEATS
「名ビートメイカーEVISBEATSの名曲。『終わりよければすべてよし』。夕暮れで仕事が終わった日も、夜更けまで仕事の波をサーフした日も、1日の終わりに空を眺めながら聴きましょう」
荒内健治さん(アラケン)/フリスビージャマー
「SpinCollectif TOKYO」代表。円盤があればどこでも遊び場に。Catch & Throw(GO OUT CAMP)やBIG THROW(New Acoustic Camp) など、野外フェスでのプロジェクトプロデュースも行う。自主制作の動画へのリドリー・スコットからの「いいね」が宝物とのこと。
夏が終わるからこそ、チルでグッドな音楽を。
5人のミュージックラヴァーそれぞれの背景やこだわりの詰まった、個性あふれる選曲でしたね。気になる選者のおすすめから知らなかったアーティストを掘ってみるもよし、はたまた、これを機に自分なりのプレイリストを組んでみるもよし、去りゆく夏をただ惜しむより、音楽とともに過ごしましょう!